pHの上げ下げ
pHの上げ下げは、一度に入れると行き過ぎて戻せなくなる操作です。
成分・数字の役割
pH を動かす操作は、同時に養分を足す操作でもあります。下げるのに使う硝酸は窒素を、リン酸はリンを、硫酸は硫黄を持ち込みます。上げる側の水酸化カリウム・炭酸水素カリウム・炭酸カリウムはカリウムを足します(FAO 2013、Savvas 2001)。フロリダ大学は、緩衝剤のMESを加える方法も報告しています(Trientini ら 2022)。pH だけを動かす薬はありません。
目安の範囲
必要な酸の量を決めるのは、原水に残っている重炭酸イオンです。FAO の手引きは、これを二酸化炭素に変えるのにH⁺ と HCO₃⁻ が1対1(モル比)要ると書いています(Savvas と Adamidis 1999)。リン酸だけで賄えないのは、養液のリンの狙いが1.5 mmol/L 前後より上に行かないためです。
解説動画
視聴済み
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How to Use pH UP & DOWN to balance your feeding water - best nutrient uptake Tutorial Review Hack
どこへ合わせるか
動画はまず、pH によって株が吸える養分が変わるので、できるだけ多く受け取れる高さへ合わせると言います。狙いは苗のうちは5.8、育つにつれて6.2まで少しずつ上げる、という置き方です。どこが最良かは意見が分かれるとも断ったうえで、この数字を出しています(→養液のpH)。
下げる側だけ要る
水道水はおおむね 7〜7.5なので、動かす向きはほとんど下げる側だと述べます。上げる薬も売られていますが、下げ過ぎたら元の水を足せば戻るので、上げ下げの両方をそろえる必要はなく、下げる薬と計器の二つで足りるという言い方です。液が手に付かないよう気をつけ、扱うときは手袋を、とも言い添えます。
少しずつ入れて測る
手順は、計器を沈めて10秒ほど待ち、値が落ち着いたら書き留めるところから始まります。一度に入れず、少量ずつ入れて振り混ぜ、そのつど読み直す。動画では 6.94 から始めて0.25 mL ほど入れると 6.61、もう一度足して 6.31 と、少しずつ近づけていきます。
行き過ぎたとき
5.3まで下げ過ぎた場合は、水道水を足していけば上がって戻る、と実演します。上げる薬を買うより水を足すほうが手軽だというのがこの動画の立場です。下げる側はpH を 1 動かすのにおよそ 0.5 mLと言っており、狙いの値になるまで足しては読む、を繰り返して合わせていきます。
色で読むやりかた
終わりに、計器を使わない読み方も見せます。小瓶に測る水を半分まで入れ、指示薬を3滴落として一色になるまで振り、瓶の色見本と見比べる。ただしキットの指示薬より計器のほうが読みやすいと付け加えます。少しずつ入れて測り直す、というのがこの項目の骨格です(→pH計)。
出典
- 論文・英語 Trientini・Fisher・Nunez(フロリダ大学)(2022) pH buffering of nutrient solutions with differing water quality in small-scale hydroponic systems
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