まず葉を見る

形・付き方・ふちの3つを見る順番。

葉から名前を調べるときは、形→付き方→ふちの順に見ると、見るたびに違う特徴に気を取られずに済みます。最初に決めるのは、いま見ている一枚がどこまでかという境目です。小葉が並んで小枝のように見えるものも、葉柄の付け根に腋芽があれば複葉の一枚で、この境目は単葉と複葉で扱います。切れ込みの深さも形の一部で、米国の大学の樹木識別用語集(SFA Dendro)は、ふちから主脈までの距離の4分の1を超えて切れ込んでいる場合に限り切れ込み(lobe)と見なし、羽状の葉では4分の1から2分の1までを lobed、掌状の葉では基部側へ4分の1を超えて切れ込むものを lobed と呼ぶと定めています。イロハモミジのように基部近くまで切れ込む葉は、この基準でも深く切れ込んだ側に入り、呼び分けは葉の切れ込みに続きます。

形を決めたら、次に見るのは枝へのつき方です。米国ミシシッピ州立大学エクステンションのCollins-Smith氏の案内は「まず葉から見る」と勧め、葉が枝に互い違いにつくか、らせん状につくか、向かい合ってつくかを先に確かめ、そのあとでふちの形を見るという順を示しています。この並び方の名前は葉序で、イチョウは互い違いにつく互生、トウカエデやハナミズキは向かい合う対生です。対生の木は街では少数派なので、向かい合う葉を見つけた時点で候補がかなり絞れます。

付き方の次に見るのがふちです。同じ用語集は、ふちがなめらかな全縁と、歯のあるふちを分け、歯の先が葉の先端側を向くものを鋸歯(serrate)、外側を向くものを鋭鋸歯(dentate)、丸みを帯びるものを円鋸歯(crenate)と呼び分けています。大きな歯の縁にさらに小さな歯が並ぶものは重鋸歯で、鋸歯がこの呼び分けをまとめています。ミシシッピ州立大学の案内は、ふちを見たあとに落葉か常緑かを確かめるとし、冬に葉が残っているかどうかで候補がさらに絞れるとしています。この違いは常緑と落葉にまとめています。

形・付き方・ふちの3つを順に見る練習を重ねれば、迷ったときに戻る順番が決まります。候補がなお残るときは、葉脈の走り方や葉柄の長さ・断面といった細部に進みます。

この節に出てくる図鑑の項目

出典