ケトルベルスイング

全身・複合

器具: ケトルベル / 難易度: 中級

ケトルベルスイングは、股関節の爆発力を鍛える振り子動作

効く筋肉

大殿筋とハムストリングスが主役で、股関節を鋭く伸ばす力を鍛えます。脊柱起立筋と広背筋も働きます。McGill らが男性7人に16kgのベルで測った筋電図では、最大に力を入れたときの腰の背筋は約50%、臀筋は約80%まで働いたと報告されています。Santos Junior らは、男女53人の12週間のスイング訓練で、デッドリフトの最大挙上が訓練前より男性12.6%・女性11.7%伸びたと報告しています。

やり方

足を肩幅よりやや広くしてデッドリフトの構えを取り、ベルを足の前に置きます。後ろへ振り込んで股関節を折り、立ち上がる勢いで振り上げます。Squat University は、ケトルベル指導者 Pavel の方法として、5回×5セットから始め、5回×10セットまで増やし、次に10回×10セットへ進み、そのあとベルを重くすると説明しています。

フォームの注意点

腕で持ち上げるのも、スクワットのようにしゃがむのも誤りです。Squat University は、ベルが股から胸の高さまで上がれば十分で、下ろすときは前腕が股に当たる直前にお尻を引くと説明しています。同じ動画は、トップでお尻を締めて膝を伸ばし切るとも述べています。齋藤圭輔ワークアウトチャンネルは、脇の下に何かを挟むつもりで胸を開くと背筋がまっすぐになると教えています。

バリエーション・代替種目

頭上まで振るアメリカンスイングは肩の柔軟性が必要なので、まずは胸の高さまでで十分です。股関節を折る形を先に覚えるならデッドリフト、体幹の連動を足すならターキッシュゲットアップと組みます。腕で持ち上げてしまう人には、Squat University がタオルを使った練習を勧めています。腕で持ち上げるとベルがねじれて落ちるので、動きの誤りがその場で分かります。

出典

  1. 論文・英語 McGill SM, Marshall LW(2012) Kettlebell swing, snatch, and bottoms-up carry: back and hip muscle activation, motion, and low back loads
  2. 論文・英語 Santos Junior ERT ほか(2024) Sex Differences in Neuromuscular Adaptations Following 12 Weeks of Kettlebell Swing Training
  3. 動画・英語 Squat University The Kettlebell Swing Technique Everyone Gets WRONG!
  4. 動画 齋藤圭輔ワークアウトチャンネル はじめてのケトルベルスイング初心者やり方解説
  5. 動画 シュウジ【自宅にフィットネスを】 ケトルベルスイングの正しいフォームと間違っているフォーム【初心者向け】

解説動画: ケトルベルスイングでよくある失敗と3つの直し方/Eita Strength【50代から一生動けるカラダへ】

股関節で振る種目: ケトルベルスイングは主に殿筋群とハムストリングスで振り込む種目で、力の出どころは股関節にある。腕で振り回すのではなく股関節の力でベルを飛ばすのが正しいフォームになる、という前提から解説が始まる。

股関節を曲げるのが早すぎる: 非常に多いのが股関節を曲げるタイミングが早すぎるスイング。お尻をぎゅっと締める意識があっても、曲げるのが早いと臀筋を十分に使えない。さらにケトルベルの位置が体から離れて低くなり、腰への負担が大きくなる。 理想はケトルベルが降りてくる直前まで股関節も膝も曲げず、ベルが股の間に近づいて初めて曲げ始めること。比較映像では、正しい方はベルが下に来る直前まで体がほぼまっすぐのままだった。

改善1・小さく振る: 最初から大きく振らず、小さいスイングから始める。小さな振り幅の中で、股関節を曲げるタイミングをつかむのが目的で、ベルが降りてくるまで股関節はまっすぐのまま保つ。それが身についてから、動きを大きくしていく。

改善2・3/障害物と片手スイング: 2つ目は前に障害物を置き、ケトルベルが当たらないように振る方法。曲げるタイミングが早いとベルが障害物に当たるので、失敗がその場で分かる。 3つ目はケトルベルを片手で持ち、体の外側で振るやり方。ベルが真下に降りてから股関節を曲げる感覚をつかみやすい。曲げるのが早いと上半身がふにゃっと崩れるので、そこを目印にするとよい。最後はベルと体を一体化させ、リズムよく振ることを勧めている。