休憩の取り方

歌っている間

いつのこと: 歌っている間

休憩の取り方は、歌い続けないための間のつくり方。

どういうこと?

声帯は歌っている間、1秒に100回以上の速さで触れ合い、続けるほど粘膜はむくんで同じ音に要る息の圧が上がります。この疲れは自覚より先に進むので、調子がいいうちに止めるのが結局は長く歌えます。20〜25歳のアマチュア歌手20人にカラオケを歌い続けさせた実験(Yiu & Chan, 2003)では、水分補給と一定間隔の休憩をとった組のほうが有意に長く歌え、とらない組は声の揺れの指標や出せる最高音が変わりました。

どうするか

3〜4曲歌ったら1曲ぶん休むリズムをつくります。休んでいる間は聴く側に回り、水を2〜3口。2時間の利用なら1度は、5分ほど声をまったく出さない時間を挟みます。人の曲に合わせて大声で歌うのは休憩になりませんし、話す声も張らずにいるほうが後半が持ちます。ストローをくわえ、休憩の後半に弱く「うー」と声を出す時間を混ぜる手もあります。締めたあとはクールダウンへ。

注意

休憩がそのまま大声のおしゃべりに変わるのがよくある落とし穴で、盛り上がった部屋での会話は歌うより喉を使います。長時間の利用では後半に高い曲を残さない順番にしておき、疲れを感じたら早めに切り上げるほうが安全です。ストロー発声だけで休憩を削るのは逆効果で、休みを入れたうえで軽く添える程度にします。無理を重ねた翌日は声枯れからの戻し方を先に読んでください。

出典

  1. 論文・英語 Yiu EM・Chan RM/Journal of Voice(2003) Effect of hydration and vocal rest on the vocal fatigue in amateur karaoke singers
  2. 論文・英語 Peng J・Zou M・Ng ML ほか/Scientific Reports(2026) The impact and application exercises on vocal fatigue

解説動画: 長く話すと喉が痛いのはチカラ入れすぎ!お手軽な喉の脱力方法をご紹介/スピーチボイストレーニング / Zooming

痛みは力みのサイン: 長く話したりカラオケで何曲も歌ううちに喉が痛くなる、声が枯れてくる——動画はこれを喉に負担がかかっているサインと受け取る。特に出やすいのは大きい声を出したときと合わないキーで歌ったとき。喉が疲れやすい人は力が入りすぎていることが多い、という見立てで、対処も力を抜く方向で組み立てる。

戻るまでの時間: 声を仕事にしていない人が、たまのイベントやカラオケで喉を痛めたり枯らしたりする程度なら大した問題ではなく、その後ふつうに生活していれば2〜3日で元に戻る、と言い切る。一方、話すことが仕事の人は商売道具が使えなくなるので同じ扱いにはできない、とはっきり線を引く。

温めてから本番に入る: だから声を職業にしている人は、本番の前に発声練習で喉を温めてから臨む。スポーツ選手が試合前にマッサージやストレッチをして怪我を防ぐのと同じだ、という並べ方をする。ウォームアップに加えて喉を冷やさないといった日頃のケアも当たり前にやっている、と付け足す。

あくびで抜く、人前ではため息: 力を抜く手段として挙がるのがあくび。あくびの最中は喉が開いていて、そのついでに漏れる声は力の入っていない自然な声になる。力が入ってきたと感じたら一度落ち着いてあくびをする。人前でやりにくければ小さく息を吐くため息や、脱力しきったおばけの真似でもよく、カラオケでも合間にできると勧める。