ドッグブレス

息と支え

短く速い呼吸で息の筋肉を目覚めさせる

どういう技術?

犬が舌を出してハッハッと呼吸する様子から名前が付いた運動です。お腹を弾ませて短く息を出し入れすることで、横隔膜まわりの動きを速くします。細かい言葉が続く箇所や、裏拍の取り方のような刻みの多い場面で息が足りなくなるのを防ぐ助けになり、歌う前の目覚ましにも向きます。

やり方

立ってへその下に手を当て、口を軽く開けてハッ、ハッと1秒に2回のペース。声は出さず、手のひらがぽんと押し返されるのが正解です。まず10回を1セット、休みをはさんで3セット。慣れてきたら1秒に4回まで速くします。部屋では曲間に立ってやると、姿勢も一緒に整って次の1曲が楽になります。

練習のしかた

1日3分、朝か歌う前に行います。10回を3セットから始め、2週間で20回を3セットが目安です。翌日にお腹の横が軽く筋肉痛になる程度なら効いています。量ではなく速さの練習なので、息の量のコントロールと交互に組むと、遅い息と速い息の両方がそろいます。

やりがちなミス

速さを追って胸だけで浅く息をすると、息の出し入れだけが増えてめまいや手のしびれが出ることがあります。30秒を超えたらいったん止め、呼吸が落ち着くまで待ちます。人がいる部屋では音が響くので曲間の短い間にとどめると気まずくなりません。妊娠中や持病のある人、症状が長引くときは自己判断せず医師に相談を。

解説動画: 横隔膜を柔軟に動かすトレーニング!横隔膜の感覚をつかみやすいトレーニング方法を紹介!/車田和寿-歌の翼に

横隔膜は意識して動かせる: 横隔膜は随意筋で、眠っているあいだは無意識に上下しているが、歌うときや楽器を演奏するときは意識して動かす筋肉に変わる。筋肉そのものが入れ替わるのではなく、無意識の動きが意識的な動きへ切り替わるだけ。初心者は感覚が掴めないので、体を動かして呼び起こす必要がある。

吐いた後に息が入る: 基本は吸うと下がり、吐くと上がる。まず目指すのは、吐き切った直後に横隔膜がひとりでに下がる状態。そうなると息は勝手に体へ入ってくる。講師は30秒続けてみせるが、外からは吸っているように見えない。身につけば、フレーズの合間の短い時間でも楽に吸える。

犬の呼吸をまねる: 練習は、暑い日に犬が舌を出してする呼吸をよく観察して真似ること。横隔膜が小さな幅で上下するだけの呼吸で、犬は力を入れているわけではない。無理な力が加わると上下できず、ぎこちなくなる。舌は出しても出さなくてもよいが、出すほうが意識しやすい。

ゆっくりから速くへ: 最初は吐く・吸うを意識せずゆっくり、できるようになったらどんどん速くしていく。余分な力があると速くできないので、力を抜いてから細かく上下させる。この上下の力加減を変えられるようになると、息で声に表情をつけられるようになるという。

歌の息づかいとは別物: 歌うときは犬のような上下動はしない、と釘を刺す。歌では太極拳のように止まらず、一定の力で息を出し続けるので、速い呼吸ができたからといってすぐ歌に効くわけではない。感覚をつかむため、そして息を吸うための練習という位置づけ。