息の量のコントロール
息と支え
吐く息の量を一定に保つための調整
どういう技術?
声の太さも安定も、一秒あたりに通す息の量でほぼ決まります。同じ高さの音でも、息を多く通せば太く、絞れば細くなります。やっかいなのは吐き始めで、肺が満ちているぶん最初に出すぎること。この出すぎを抑えて終わりまで同じ量を保てると、伸ばした音が揺れません。
やり方
口の前20センチに手のひらを立て、スーと10秒吐き続けます。手に当たる風が最初から最後まで同じ強さになるよう調整します。次に同じ感覚のまま、母音のアーを8秒だけ伸ばします。強く出そうとせず、息を止める側の力で量を決めるのがコツです。マイクを通すと変化が耳で分かります。
練習のしかた
1日5分で十分です。スーを10秒ずつ5本、母音を8秒ずつ5本。目安は録音して聴いたときに最後の2秒が、最初と同じ太さであることです。この感覚が歌の中で使えるまでは1〜2か月かかります。長い時間やるより短く毎日のほうが進みが早く、喉も痛めません。
やりがちなミス
たくさん使えば良くなると思って吐き切るまで押すと、終わりで喉が締まり音程が落ちます。乾いた部屋では息が減った感じになりやすいので、飲み物の選び方も効いてきます。頭がふらついたらすぐ中断して座ること。息の出し入れが多すぎる状態なので、呼吸が戻るまで待ちます。
解説動画: 【歌うまトレ7分】すべてのボイトレの基本!呼吸の安定感をこのトレーニングで手に入れよう!!【夜中・壁薄OK】/ラニー歌うま相談室 | MASAYAH
歯の隙間から細く漏らす: やることは単純で、歯の隙間から「ス」と空気を漏らし続けるだけ。「ズ」でもどちらでもかまいません。先に肩まで動かさずお腹まわりを膨らませて吸い、腹圧をかけて張った状態を保ったまま吐いていきます。吐いている途中でお腹の空気がダダ漏れにならないよう、張りを緩めないところだけ見ます。
吐く間は歌っているつもりで: 「ス」を出している間は、高らかに歌っている自分を思い浮かべるようにと言います。自分が歌うときに使っている呼吸がこれだ、と思って吐くこと。さらに、いま呼吸をコントロールしているぞと意識しながら続けるように、と重ねて念を押しています。
吐き切らないのが正解: 8カウント吐き終えた後も、まだ続けられるという余裕が残った状態でできていれば正解だと言います。8で苦しくなってそこで次の息継ぎ、という形にはしないこと。だいぶ余力があるところで次の息に入れるまで、同じ形をゆっくりのテンポで繰り返します。
速い曲のためのクイックブレス: ゆっくりの往復をひと通りやったら、テンポを上げて同じことを行います。アップテンポでは息継ぎの時間が全く無い場面があるので、スッと一瞬で入れる吸い方——本人の言うクイックブレスも使えるようにしておく、という位置づけです。
太く吐くより細く飛ばす: 歌うときも全体からハーッと吐きながら声を出すのは苦しい。そうではなく圧をかけて歯の隙間からまっすぐ、小さな出口から勢いよく飛ばす感覚でいくととても楽に歌えるようになると話します。この呼吸は歌う前や練習の前のウォームアップとして使うものです。