早入りと遅れ
減点を避ける
拍に対して声が前後にずれること
何を見ている?
採点は、譜面上の位置と実際に声が出た位置の差を測っています。0.1秒前後までは許す設計が多いものの、それを超えるとリズムの評価が下がり、音程を見る区間までずれて二重に響きます。早く出てしまう人と遅れる人では原因がまったく別なので、まず自分がどちらかを知るところからです。
どうすれば伸びるか
早い人は歌詞を先読みしているので、足で4拍を刻みながら歌い、2拍目と4拍目に体重を落とします。遅い人は画面の色を追っているので、目を画面から外して伴奏の打楽器だけを聞きます。どちらもサビの4小節だけで試すのが早く、一曲通すより違いがはっきり出ます。裏拍の取り方と組み合わせると直りは早まりますが、走る癖が抜けるまでは何度かの来店ぶんかかります。
勘違いしやすいところ
ずれを恐れて全部の音を定規のように置くと、今度は表現力の側が痩せます。歌のうまい人がわざと遅らせる歌い方をすることもありますが、採点機はそれを意図として区別しません。点と気持ちよさのどちらを取るかは曲ごとに決めていいことで、毎回そろえる必要はありません。
機種による違い・補足
許される幅は機種で違い、テンポの速い曲ほど差も小さく見積もられる傾向があります。テンポ変更で数パーセント落とすと、同じ歌い方でもずれが減ることがあります。点を稼ぐためではなく、どこで走っているかを見つける道具として使うと効きます。戻すのを忘れずに終わってください。
解説動画: テンポが走って速くなってしまう人へ【練習法・対処法まとめ】/音大卒があなたのお困り助けます。
走るとは何が起きているか: 走るというのは意図せずテンポが速くなることだと定義し直します。起きているのは単純で、一拍一拍が少しずつ短くなっていく状態。正しい拍の長さぶん待てないから前へ詰まっていく、という説明です。裏を返せば拍の長さぶん待てれば走りは止まる、というのが全体の芯になっています。
速くなる原因は気持ちの側: 原因として挙がるのは技術ではなく心理です。緊張すると心拍数が上がり、その鼓動につられて速くなる。練習不足のときは遅くなりそうに思えて、実際は不安な状態から早く抜け出したい気持ちが働くので、やはり速くなる。この二つの場面では遅くなるより速くなる人が圧倒的に多いと言います。
走らないための三つの練習: 一つ目はメトロノームで一定のテンポ感を体に入れること。二つ目は録音機能で自分の演奏を聴き返し、走っていないかを客観的に確かめること。三つ目は本番よりかなり遅いテンポで通し、一拍を最後まで保つ練習です。中身がすかすかではなく餡の詰まったあんパンのように一拍を埋める、という比喩で説明します。
走り出した後の立て直し: 本番で走ってしまっても演奏は止めない。舞台では止まれないのでそのまま続け、それ以上速くしないことだけを考えます。急に落とすと聴いている側が驚くので、直前のテンポを保つのが正解。そのうえでブレスの位置をフレーズとフレーズの合間に取り、息を吸って気持ちを整えます。