仕組債
保険・その他
値動き: 荒い / 換金: 換金しにくい / NISA: 対象外
高い利率と引き換えに、下落を引き受ける契約
どういう商品?
債券にデリバティブ(オプションなど)を組み込んだ商品です。年5〜10%といった高い利率が提示される代わりに、対象となる株や指数が一定水準(ノックイン価格)を下回ると、償還金が現金ではなく値下がりした株になったり、大きく減額されたりします。
もうけと損の出どころ
相場が想定の範囲で動いている限り、高い利率を受け取れます。しかし上昇したときの利益は利率で頭打ちで、下落したときの損失には歯止めがありません。利益は限定、損失は非限定という非対称な形をしています。実質的には、投資家が先物・オプションの売り手を引き受けている構造です。
コスト(どこで抜かれるか)
手数料は価格に埋め込まれていて外からは見えません。特定仕組債の理論価格の計算には、販売役務の対価・組成にかかる費用・ヘッジ取引で生じるコストに加え、発行体が市場で調達できる金利と実際の発行に使った金利との差も費用として含まれます(金融庁の監督指針)。株の売買手数料のように明細には出てこず、差額が大きいほど投資家の取り分は薄くなります。
税と口座
公社債は特定公社債と一般公社債に分かれ、扱いが違います。特定公社債(国債・地方債・公募の社債など)の利子・譲渡益は20.315%の申告分離課税で、他の株式等の損益と通算できます。一般公社債(私募の社債など)の利子は源泉分離課税のみで確定申告ができず、損益通算もできません。自分が買う仕組債がどちらかは、目論見書や販売書面で確認してください。
向かない人・注意
この商品は金融庁が繰り返し問題視してきた分野です。大手証券会社の担当者に勧められた仕組債で、堅実に老後資金を貯めてきた高齢の女性が1,000万円超の損失を出し、裁判所が証券会社に賠償を命じた例があります(両学長 リベラルアーツ大学)。「元本確保」「早期償還で高利回り」という説明が出てきたら、まずノックイン条件を確認してください。理解できない条件の商品は、理解できないという理由だけで断って構いません。
出典
- 公的機関 金融庁 金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針(IV.監督上の評価項目と諸手続(第一種金融商品取引業))
- 公的機関 国税庁 No.1310 利子と税金
- 動画 両学長 リベラルアーツ大学 【お金のニュース】「仕組債」で1,000万円以上の損失事例。複雑な投資商品からは距離を置こう【リベ大公式切り抜き】
解説動画: 仕組債(しくみさい)を理解しよう!なぜこんなに利率が高い?? 仕組債入門【第1回】/Financial Camp 金融のオンライン学習スペース
なぜ利率が高いのか: 仕組債とはデリバティブと債券がくっついた特殊な債券。3か月で5%の利子が付くこともあり、年5%で上々と言われる世界からすると破格に見える。しかし高い利率には理由がある、というのがこの回の主題。
中身に何が入っているか: 中身にオプション取引の「売り」が組み込まれている。これがリスクの正体だと明示される。オプションの売り手は、受け取る金額が限られている一方で損失には歯止めがない——その立場を投資家が引き受けている。
誰でも買えてしまう: 金融機関ではたくさん販売していて、一般の人も普通に買えてしまう。分かったうえで買うならよいが、利率だけを見て「最高やん」と言って買うのはよくないと、はっきり述べられている。