リベンジ取引
続けられない
効く場面: 暴落時
取り返そうとした瞬間から、投資ではなくなる
どういうクセ?
損失を出した直後に、それを取り返すために普段より大きな金額を投じる行動です。判断の目的が「良い投資をすること」から「損を消すこと」に入れ替わっています。Thaler と Johnson(1990年)は、実際のお金を使った実験で、先に損があると損益ゼロに戻れる選択肢が特に魅力的になる「ブレークイーブン効果」を報告しています。
相場で何が起きるか
シカゴ商品取引所の自己勘定トレーダーを調べた Coval と Shumway(2005年)は、午前の損を取り戻そうと、午後に平均より高いリスクを取る傾向を報告しました。著者らは、対象のトレーダーは損失回避が強いようだと述べています。損を抱えたトレーダーの取引が動かした価格は、ほかの取引より速く元に戻りました。ただし Imas(2016年)は、損を確定させた直後はリスクを避け、含み損のままだと取る、と報告しています。
仕組みで防ぐ
大きな損を出した日は、その日のうちに新しい注文を出さないと決めてください。投資ではなく賭けの研究ですが、英国のオンラインカジノ利用者2,021人を調べた Auer と Griffiths(2023年)では、60分の強制休憩が入った日は、入金や賭けをやめた人が増え、翌日以降の効果は確かめられませんでした。取り返す必要はありません——必要なのは、次の判断を良くすることだけです。
出典
- 論文・英語 Richard H. Thaler, Eric J. Johnson(Management Science)(1990) Gambling with the House Money and Trying to Break Even: The Effects of Prior Outcomes on Risky Choice
- 論文・英語 Joshua D. Coval, Tyler Shumway(The Journal of Finance)(2005) Do Behavioral Biases Affect Prices?
- 論文・英語 Alex Imas(American Economic Review)(2016) The Realization Effect: Risk-Taking after Realized versus Paper Losses
- 論文・英語 Auer M, Griffiths MD(Journal of Gambling Studies)(2023) The Effect of a Mandatory Play Break on Subsequent Gambling Behavior among British Online Casino Players: A Large-Scale Real-World Study
解説動画: 【今日から変わる】FXで連敗しても感情をコントロールする方法/SABAI SABAI FX | チャート読解力向上チャンネル
取り返しにいった先: 冒頭に置かれるのは、連敗でメンタルが崩れ、取り返そうとして取引量を増やし、口座を破綻させたという失敗談。守っていたルールを破った取引で、それまでの利益が吹き飛ぶ——そこから話が始まる。
期待と現実のギャップ: 感情が乱れるのは、期待と現実のギャップが生まれたときだと整理する。隠しておいたへそくりが無い、1時間前に並んだのに2時間待たされた——先に起こりうると分かっていれば、そのずれは埋まる。
連敗の目安を先に持つ: 勝率5割の手法で3回続けて負ける確率は12.5%、8回に1回ほどの頻度だと計算してみせる。過去の検証で自分の連敗数の見当をつけ、想定を超えたら取引を一度休むルールを置く、で締める。