自信過剰
自分を高く見る
効く場面: 持っている間
自分は平均より上だと感じる
どういうクセ?
「自分は平均より判断が優れている」と考える人が多い、という性質です。ただし一様ではなく、Moore と Healy(2008年)の実験では、難しい課題で人は自分の成績を高く見積もる一方、他人より下だとも考え、易しい課題ではその逆でした。予想の幅を狭く見すぎる傾向は、ほかの2つより根強いとされます。全員が平均より上ということは、定義上ありえません。
相場で何が起きるか
Barber と Odean(2000年)は、米国の証券会社の6万6千余世帯の口座(1991〜96年)で、最も頻繁に売買した層の年率が11.4%、市場が17.9%だったと報告し、過信が売買の多さの背景にあると論じました。Grinblatt と Keloharju(2009年)も、フィンランドの記録で自信過剰な投資家ほど売買が多いと報告しています。いずれも記録の分析で、原因を確かめた実験ではありません。
仕組みで防ぐ
売買のたびに、その理由と予想を記録する。3か月後に読み返すと、当たった予想と外れた予想の比率がわかります。記憶では正確に振り返れません(後知恵バイアス)。Walters と Fernbach(2021年)では、投資家は過去の取引の収益を実際より高く思い出しがちでした。報酬つきの実験では、記憶から答えるより、過去の取引の結果を調べたときのほうが、自信過剰も売買の回数も減りました。
出典
- 論文・英語 Don A. Moore, Paul J. Healy(Psychological Review)(2008) The trouble with overconfidence
- 論文・英語 Brad M. Barber, Terrance Odean(The Journal of Finance)(2000) Trading Is Hazardous to Your Wealth: The Common Stock Investment Performance of Individual Investors
- 論文・英語 Mark Grinblatt, Matti Keloharju(The Journal of Finance)(2009) Sensation Seeking, Overconfidence, and Trading Activity
- 論文・英語 Daniel J. Walters, Philip M. Fernbach(Proceedings of the National Academy of Sciences)(2021) Investor memory of past performance is positively biased and predicts overconfidence
解説動画: 自信過剰バイアス:なぜ私たちは金融知識を過大評価するのか | 行動ファイナンス/CodeLucky
誰にでも起きる: 過信バイアスとは、自分の能力・知識・将来の結果についての予測を過大評価する傾向。意図的に傲慢になっているのではなく、程度の差はあれ全員に影響する自然な傾向だと最初に置かれる。
初心者だけの問題ではない: 初心者から経験豊富な投資家まで、あらゆる人に影響を与えると明言されている。経験を積むほど収まるものではない、という点がこのバイアスの厄介なところ。
投資でどう現れるか: 市場について特別な洞察を持っている、他人より値動きを予測できる、自分の投資戦略は優れている——そう思い込む形で現れる。行動ファイナンスの入門レッスンとして構成されている。