群集心理
群れる
効く場面: 暴落時
多くの人が同じことを言うと、正しく思える
どういうクセ?
自分の判断より、集団の判断を優先してしまう性質です。単純な図形を答える実験で、周囲全員が違う答えを言うと、明らかな誤りでも同調する人が相当数出ました。Berns ら(2005年)は、脳の画像を使った実験で、集団に逆らって自分の判断を通すと扁桃体と尾状核の活動が強まり、他人の答えが誤りのときにその変化がとくに強かったと報告しています。
相場で何が起きるか
バブルも暴落も、この性質なしには成立しません。上昇局面では買いが買いを呼び、下落局面では売りが売りを呼びます。Bikhchandani と Sharma(2000年)のレビューは、群れ行動を、他人の行動から情報を読み取る型と、評価を気にするファンドマネージャーなどが群れに合わせる型に整理しています。SNSの投資グループは、多数のサクラでこの性質を作り出します。
仕組みで防ぐ
自分の判断を、他人の判断が見えない場所で先に書いておく。SNSやニュースを見る前に、自分の方針を文字にしておくと、後から比較できます。お金を育てる研究所(野村アセットマネジメント制作)の動画は、米ダルバー社の分析として、1984〜2013年のS&P500指数の年率11.11%に対し、株式投信の保有者が実際に得たリターンは3.69%だったと紹介しています。感情での売買が、この差を生んでいます。
出典
- 論文・英語 Gregory S. Berns, Jonathan Chappelow, Caroline F. Zink, Giuseppe Pagnoni, Megan E. Martin-Skurski, Jim Richards(Biological Psychiatry)(2005) Neurobiological Correlates of Social Conformity and Independence During Mental Rotation
- 論文・英語 Sushil Bikhchandani, Sunil Sharma(IMF Staff Papers)(2000) Herd Behavior in Financial Markets
- 動画 お金を育てる研究所(野村アセットマネジメント制作) 【投資の心理学】エピソード3 投資のわなとバイアス(その1)
解説動画: 【資産運用】相場の大暴落がまたきたらどうすればいい?│投資Q&A/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル
周りが売っているとき: 大暴落の局面で最初に必要なのはパニックにならず冷静に判断することだと述べる。集団が一斉に売る場面で自分だけ動かずにいるのは難しいが、その難しさに耐えるための準備が事前のお金の分け方だという構成になっている。
事前に決めておくという発想: 投資に回すのは当面使う予定がないお金だけ、と先に決めておけば、暴落時に「売らなければならない」状況そのものが生まれない。意思の力で耐えるのではなく、耐えなくていい配分にしておくという考え方。