権威バイアス
群れる
効く場面: 買うとき
肩書きがあると、内容の検証をやめてしまう
どういうクセ?
発言の内容ではなく、発言者の肩書きや知名度で信じてしまう性質です。Hovland と Weiss(1951年)の実験では、同じ主張でも、信頼性の低い情報源だと聞いた直後は割り引かれても、数週間後には情報源を忘れて内容だけが信じられやすくなる現象が見られました。専門家であることは、その予測が当たることを意味しません。
相場で何が起きるか
著名人になりすました広告が成立するのは、この性質があるからです。なりすましでない場合でも、有名な投資家の発言はその人の保有銘柄と無関係とは限りません。J. Scott Armstrong(1980年)は、経済学者や株式アナリストへの高額な報酬に見合う的中率の証拠は乏しいのに、人は専門家に支払い続けると論じ、これを「予言者詐欺」理論と呼びました。
仕組みで防ぐ
「誰が言ったか」を消して、内容だけを読んでみる。それでも納得できるなら、根拠がある発言です。加えて、その人がその発言で何を得るのかを考えてください。利益相反が無い発言のほうが少数です。
出典
- 論文・英語 Carl I. Hovland, Walter Weiss(Public Opinion Quarterly)(1951) The Influence of Source Credibility on Communication Effectiveness
- 資料・英語 J. Scott Armstrong(ペンシルベニア大学、MIT Technology Review 掲載)(1980) The Seer-Sucker Theory: The Value of Experts in Forecasting
解説動画: 権威への服従の原理-人は権威者の言動には無意識に従う 【 ビジネス心理学17 】/井野瑛太
2種類の権威: 権威には理性の権威(大学教授・医師・弁護士など、この人の言葉は正しいはずだと理性的に思える専門家)と、感性の権威(有名人・芸能人など、馴染みがあり親しみのある人)がある、と分けて説明される。
なぜ従ってしまうのか: 権威者からの指示や言動に対して、人は無意識に従ってしまう。医師や弁護士の指示を疑わずに従うのは、資格という裏付けがあるからだが、感性の権威にはその裏付けがない。
投資勧誘での使われ方: 著名人の名前や写真を使う手口が成立するのは、この感性の権威が働くからだ。誰が言ったかを消して内容だけを読むという対処の根拠が、ここで明確になる。