フレーミング
引っぱられる
効く場面: 買うとき
同じ内容でも、言い方で選択が変わる
どういうクセ?
「90%の確率で成功」と「10%の確率で失敗」は同じ内容ですが、人の選択は変わります。Tversky と Kahneman(1981年)の実験では、病気の対策を「200人が助かる」と示すと72%が確実な案を選び、同じ結果を「400人が亡くなる」と示すと22%でした。提示の枠組みが判断を左右するという性質です。
相場で何が起きるか
金融商品の説明でも、同じことを違う枠で言えます。「年率換算で3%」と「100万円あたり月2,500円」、「元本確保型」と「満期まで持てば額面が戻る場合がある」。Benartzi と Thaler(1999年)は、1年ごとの収益ではなく長期の収益を見せると、働く人は退職資金をより多く株式に振り向けたと報告しています。
仕組みで防ぐ
自分で言い換えてみる。年率を金額に、割合を人数に、期間を日数に。言い換えた後でも同じ判断になるなら、その判断は枠組みに依存していません。両学長(リベラルアーツ大学)は、買い物の罠を扱う動画で、目にする広告を企業が考え抜いた最高のアピールと知り、そこから引き算して見るくらいがちょうどいいと話しています。「元本確保」という言葉のように、言葉そのものが枠として働く例には特に注意を。
出典
- 論文・英語 Amos Tversky, Daniel Kahneman(Science)(1981) The Framing of Decisions and the Psychology of Choice
- 資料・英語 Joe と Leif(研究者のブログ Data Colada)(2013) [11] “Exactly”: The Most Famous Framing Effect Is Robust To Precise Wording
- 論文・英語 Shlomo Benartzi, Richard H. Thaler(Management Science)(1999) Risk Aversion or Myopia? Choices in Repeated Gambles and Retirement Investments
- 動画 両学長 リベラルアーツ大学 【無意識】ついついお金を払ってしまう「5つの罠」【行動経済学】【貯める編】:(アニメ動画)第50回
解説動画: 松谷会長が聞く『ナッジとはなにか?』/資産運用業協会チャンネル
同じ情報でも伝え方で結果が変わる: 情報を提供するときの手法自体が問題になる、という論点。正しい情報をたくさん渡せば人は賢くなる、と思いがちだが、量が多いと面倒に感じて処理されない。だから簡単にすることが大事だと述べられる。
やる気になる表現、ならない表現: 表現の仕方によって、やる気になる場合とならない場合があると明言されている。同じ内容でも枠組みで受け取り方が変わるという、フレーミングそのものの話。金融商品の説明を読むときは、この逆向きの視点が要る。
設計のプロセス: 行動を観察し、行動経済学的に分析し、対策を考え、実際に介入して、うまくいけば実装する——という流れで設計する方法が紹介される。自分の投資行動を直すときにも同じ順序が使える。