ゼロサムゲーム

ゲーム理論と交渉

ゼロサムゲームは、対立一般を指す比喩として広まった語を定義に戻す項目。

よく言われること

「ゼロサムゲーム」という言葉が、勝てば相手が必ず損をするような対立や競争一般を指す言葉として広く使われる。

原典では何と書いてあるか

フォン・ノイマンとモルゲンシュテルンが体系化したゲーム理論では、ゼロサムゲームは全プレイヤーの利得の合計が常にゼロになるゲームとして定義される。Stanford Encyclopedia of Philosophyの説明によれば、二人ゲームの場合、一方が得をできるのは他方を犠牲にするときに限られるゲームがゼロサムゲームであり、多くのゲームはこの性質を持たない。

どこがずれているか

「ゼロサムゲーム」が、勝ち負けのある対立や競争一般を指す比喩として広く使われることがあるが、本来の定義は利得の合計が厳密にゼロになる場合に限られる。多くの対立は、双方が損をする、あるいは双方が得をする余地がある非ゼロサムゲームであり、これをゼロサムゲームと呼ぶのは原義から外れた使い方になる。

なぜそう広まったか

勝てば相手が損をするという直感的に分かりやすい図式が、競争関係を語る比喩として使いやすく、利得の合計という数量的な条件を確かめないまま、対立関係一般を指す言葉として広まったと考えられる。

原典に沿って言うなら

ゲーム理論での「ゼロサム」は、利得の合計が厳密にゼロになるという数量的な条件を満たす場合に限られ、単に勝ち負けがある対立関係一般を指す言葉ではない。