どんな計画も敵と接触すれば崩れる

戦争論

「どんな計画も敵と接触すれば崩れる」は、モルトケの名言を原文の言い回しに戻す項目。

よく言われること

「どんな作戦計画も、敵との最初の接触を生き延びられない」という簡潔な言葉が、モルトケの名言として広く引かれる。

原典では何と書いてあるか

プロイセンの参謀総長モルトケは、1871年の論考「Über Strategie」で「Kein Operationsplan reicht mit einiger Sicherheit über das erste Zusammentreffen mit der feindlichen Hauptmacht hinaus」(いかなる作戦計画も、敵の主力との最初の接触を越えては確実性をもって通用しない)と述べた。

どこがずれているか

「どんな計画も敵と接触すれば崩れる」という簡潔な言い回しで広く引かれるが、原文が述べているのは、作戦計画が確実性をもって通用するのは最初の接触までだということであり、計画がその時点で無に帰す・崩壊するとまでは述べていない。

なぜそう広まったか

クオートの出典を調べる専門サイトQuote Investigatorの調べによれば、1900年の『エディンバラ・レビュー』誌では原文に近い長い訳で引用されていたが、1961年にコレリ・バーネットの著書『The Desert Generals』で短い形にまとめ直され、以後この簡潔な形が広く定着したとされる。

原典に沿って言うなら

モルトケが述べたのは、作戦計画が確実に通用するのは敵の主力との最初の接触までだということであり、「計画は崩れる」という、より強い言い切りは後年の言い換えである。