読まれ方の変遷

書の成り立ちと読まれ方

篇: 成り立ち

読まれ方の変遷は、刊行後まもない時期から、イギリスの軍関係者にどう読まれてきたかという、受け止められ方の移り変わりを扱う項目。

『戦争論』のどこにあるか(篇と章)

クリストファー・バスフォード『Clausewitz in English』が跡づける、19世紀イギリスでの受容の記録。

原語と原文

「Clausewitz in English: The Reception of Clausewitz in Britain and America, 1815-1945」(英語圏のクラウゼヴィッツ受容、原題)。

クラウゼヴィッツの言っていること

バスフォードの研究によれば、『戦争論』はイギリスでは、1840年代にウェリントン公爵の周辺で話題にのぼり、1860年代以降はキャンバレー陸軍大学校の教官たちの間で検討され、1870年代以降はウォルズリー将軍の周辺にいた軍制改革派の議論にも取り上げられるなど、刊行から数十年をかけて少しずつ読まれる層を広げていった。

研究者の間で読みが割れるところ

どの時期の、どの立場の読者が『戦争論』のどの部分を重く読んだのかについては、資料の残り方にも左右されるため、研究者の間でも記述の詳しさや力点が分かれ、すべてを確かめきれるわけではない。

よくある引用とのずれ

『戦争論』が刊行直後から広く読まれ、一貫した「定説」として軍で受け入れられてきたかのように語られることがあるが、実際には刊行後しばらくは限られた読者層の間で少しずつ話題になっていったという、緩やかな広がり方をしている。