発煙器(スモークマシン)
風を見る
発煙器(スモークマシン)は、線香では見えない面いっぱいの空気を、煙で見えるようにする道具です。
どこに効くか
線香で見えるのは細い筋が一本だけです。物のうしろで何が起きているかを見るには、面で当てられるだけの量の煙が要ります。発煙器は専用の液体を熱して細かい霧にする道具で、扇風機の前に立てた板の裏へ煙を流すと、縁からはがれて巻き上がる渦がそのまま形になって見えます。ボールや模型を吊るして風を当てれば、後流がどれだけ広いかも分かります。細い隙間から出せば一枚の煙の面になり、断面を切った図解と同じ絵が空中に現れます。翼の形に切った板へ当てれば、上を通った煙が下を通った煙よりずっと先に後ろへ抜けることも見え、上下が同時に出会うという説明が成り立たないと分かります。写真や動画に残せる濃さがあることが、線香との一番の違いです。
選ぶときに見るところ
見るのは一度に出る煙の量と、消えるまでの時間です。演出用は濃く長く残る設計で、流れを見るには濃すぎて部屋が真っ白になることがあります。出力を絞れるもの、断続で少しずつ出せるものが扱いやすい。専用液が要るので補充のしやすさも見ます。火災報知器が反応します。集合住宅や職場では作動する範囲を必ず先に確認してください。屋外で換気しながらなら、線香を数本まとめて立てるだけでも面に近い煙は作れるので、まずそこまで試して足りなさを確かめます。買うのは撮影して繰り返し見返すと決めてからで、順番としては先に三脚とスロー撮影を整えるほうが効きます。煙を出せても、固定して撮る用意がなければその場で消えて終わります。
解説動画: 舞台演出、スモークマシーンってなぁに?/FHS-Lighting
粒の細かさで光の筋が決まる: 同じ煙でも見え方はそろっていない。粒子が細かく均一な煙は、たまったときに光の筋をくっきり見せる。一方、すぐ出せる代わりに粒子が細かくて薄いタイプは、部屋に広がっても光の筋が薄く感じられる。何を見せたいかで、濃さより粒のそろい方を先に考えることになる。
たまるか、すぐ消えるか: 機種の性格は「たまりやすさ」で分かれる。いったんたまると消えにくいものは、量も調整できる代わりに、温まるまで時間がかかってすぐには出せない。逆に勢いよく噴き出すのに消えるのが早く、全体にたまらないものもある。温める必要がなく即座に出せるものは、量の調整ができない。
液体の種類と届け出: 使う液体には油性と水性の2種類がある。油性を使う場合は、その施設を管轄する消防署へ申請が必要で、水性なら申請は要らない。さらに、そもそも煙を出してよいかどうかは建物ごとに決まりが違うため、持ち込む前の確認が要る。幕の内側を白く埋めて、晴れた瞬間に人が現れる——といった使い方が紹介されている。