ハオコゼ
毒のある魚
ハオコゼは、体は小さくても背びれのトゲに強い毒がある
見分け方
全長10cm前後の小さな魚で、赤褐色にまだら模様。背びれが大きく扇のように張り出しているのが特徴です。堤防の際や藻場にいて、サビキやちょい投げに掛かります。
危険・注意
背びれのトゲに毒があります。体が小さいので油断しがちですが、刺されると強い痛みが出て、数時間から半日ほど続きます。日本の研究チームが、ハオコゼ・ミノカサゴ・オニオコゼの毒を比べた2013年の研究では、ハオコゼの毒にもマウスに対する致死性や、血液を壊す・むくみを起こす・痛みを起こす作用が確認され、猛毒で知られるストーンフィッシュの仲間の毒と近い立体構造を持つとわかりました。
どうする
ゴンズイと同じく素手で触らない。ハリを外すときはプライヤーで魚の頭を押さえ、背びれに触れない向きから作業します。刺された場合の対処もゴンズイと同様で、40〜45℃のお湯に15〜20分ほど浸けるのが応急の基本です。魚の毒は熱に弱いタンパク質でできているためで、熱すぎるとやけどにつながるので温度管理に注意してください。
出典
- 論文・英語 Kiriake A, Suzuki Y, Nagashima Y, Shiomi K(2013) Proteinaceous toxins from three species of scorpaeniform fish (lionfish Pterois lunulata, devil stinger Inimicus japonicus and waspfish Hypodytes rubripinnis)
- 論文・英語 Niżnik Ł, et al.(2024) Hot-Water Immersion (HWI) or Ice-Pack Treatment (IPT) as First Aid for Human Envenomation by Marine Animals? Review of Literature
解説動画: 小さなハオコゼの毒トゲはどこにあり、どう扱えば刺されないか/野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)ch
どんな魚か: 未利用魚を食べる企画で、タモを使って5cm前後のハオコゼを何匹も採っている。よく釣れてくるのはこのサイズで、大きくなっても10cm弱。オコゼやカサゴに近い仲間で、この大きさでも成熟しているという。ヒレのトゲ1本1本に強い毒があり、この体格でも刺されると泣くほど痛いと話している。
どこを刺されるか: 毒があるのは背びれだけでなく、胸びれと尻びれのトゲにも毒があるとみられるとしている。トゲは根元の皮がめくれて突き出す構造で、生きているうちは軽く触れただけで刺さる。ハリを外した直後に魚が跳ね返って背びれで刺しにきた経験を挙げ、被害者が多いようだと話している。
刺されたときの対処: 魚の毒はおおむねタンパク質なので、患部を50℃ほどの熱めのお湯に浸けると痛みが和らぐとされる、と説明している。加熱すれば毒性そのものは失われるため、火を通した身は問題ないとする一方、死んでも毒は残るので、切り落としたトゲは危険物として扱うべきだという。
食べるときの注意: 身はカサゴやオニオコゼに近い歯ごたえと甘みがあると評価している。ただし「にが雑魚」の別名どおり強い苦味があり、内臓を取ったものと取らないものを食べ比べた結果、苦味の出どころは内臓より頭ではないかと見ている。食べるなら頭を落としてから調理するよう勧めている。