アイゴ

毒のある魚

アイゴは、背びれと尻びれの毒トゲで刺されると激痛が走る、藻場の海藻を食べる魚

見分け方

アイゴは、全長30〜45cmほどで左右に平たい魚です。広島県の資料は、緑褐色の地に褐色の横縞が数本あり、全身に白っぽい斑点があると書きます。太平洋側では千葉県以南、日本海側では青森県までに分布し、春から秋の水温20℃以上で現れるという報告があります。周年定着している個体も知られています。西日本では、磯焼けの原因としてアイゴの食害を指摘する説もあります。旬は秋から冬で、夏は臭いと言われます(きまぐれクック)。

危険・注意

背びれに13本、尻びれに7本の毒トゲがあります。宇久井ビジターセンターでは、刺されると激痛が走り、しびれや痛みが続きます。痛みの長さは、公的な資料では書かれていません。平坂寛は、刺されて検証し、痛みは数時間がピークで、毒性は他の毒魚よりやや弱い印象と話します。痛みが1日、2日、ときには1週間続く人もいると言います。2017年の論文では、背びれのトゲの毒で実験し、マウスを死なせる作用や赤血球を壊す作用が確認されました。

どうする

刺されたら、宇久井ビジターセンターは傷口を洗って毒を出し、症状がひどいときは病院に行くよう書いています。夜に痛みがぶり返したときは、患部を温めると和らぐと平坂寛は話します。釣り針を外すときは、手の中で暴れたアイゴに刺されることもあります。指先を刺されると痛みで仕掛けが結べなくなることもあります。痛みが引かないとき、腫れが広がるときは、医療機関を受診してください。

出典

  1. 論文・英語 Kiriake A, Ishizaki S, Nagashima Y, Shiomi K(2017) Occurrence of a stonefish toxin-like toxin in the venom of the rabbitfish Siganus fuscescens
  2. 資料 宇久井ビジターセンター(吉野熊野国立公園) アイゴ(危険な生きもの)
  3. 公的機関 広島県 環境県民局 自然環境課(2013) アイゴ
  4. 論文・英語 Niżnik Ł, et al.(2024) Hot-Water Immersion (HWI) or Ice-Pack Treatment (IPT) as First Aid for Human Envenomation by Marine Animals? Review of Literature
  5. 動画 平坂寛 刺されて検証!釣り人の天敵『アイゴ』の毒針に刺されるとこんなに痛い【セルフ人体実験】

解説動画: アイゴを釣り場で処理する、トゲの切り方と後始末/おかだんの赤さん

どこが危ないか: 堤防の釣りで掛かったアイゴを、その場でさばきながら解説している。ヒレのあちこちにトゲが並んでいて、どれにも毒があると思ったほうがいいと、一つずつ指しながら話す。トゲは押されると皮の間からピュッと突き出してくる。釣り上げても、絶対に手で持ってはいけない魚だとしている。

釣り場での処理手順: まず魚を足で押さえて動きを止め、背骨を切ってから作業に入る。ハサミでヒレのトゲを一つずつ切り落としていくが、一気に切ると切れたトゲが飛んで、自分や周りに刺さることがあるため、飛ばないよう気をつけながら慎重に切ると説明している。トゲを落とし、切ったトゲも回収してからクーラーに入れるという手順になっている。

切ったトゲの後始末: 切り落としたトゲはその場に残さず必ず回収するとしている。堤防に落ちたままだと、あとから座ったり手をついたりした人が刺さるからで、撮影者は切ったトゲを自分でまとめて片づけるようにしていると繰り返し話している。

食べるときは: アイゴは内臓の臭みで嫌われがちだが、釣ってすぐにさばけば臭みは出ず、美味しく食べられると話している。動画でも持ち帰る個体は干物にするため、釣り場で下処理まで済ませた状態にしてからクーラーへ入れていた。鮮度が落ちる前に手を入れるのが前提になる。