蒸し器・せいろ

衛生と保存

蒸し器・せいろは、材料を湯に浸けずに蒸気で火を通す道具です。せいろ(蒸し籠)や、専用の鍋とセットの蒸し器があり、湯を沸かした鍋の上に重ねて使います。大豆を蒸してから麹菌を付けて仕込む製法があり、仕込みの前の下ごしらえに使います。湯に入れて加熱すると、密封した場合よりビタミンの損失が多いことは、冷凍野菜の実験で測られています。蒸し器で蒸す場合は、この実験の条件とは違います。

どんなもの?

水に入れて加熱すると、ビタミンの損失が大きくなります。冷凍のグリーンピースと芽キャベツの実験(Renard ら、2023)では、水に入れた場合、密封して同じ温度で加熱したときより、ビタミンCの損失が10倍、葉酸は2倍でした。大徳寺納豆の製造を調べた2007年の研究では、大豆(鶴姫)を蒸煮し、室で1週間発酵させています。浜松の浜納豆は、大豆を数時間蒸してから麹菌を付けています(市の公式ページ)。

選び方

専用の鍋とセットになったせいろは、ぴったり合って使いやすい、と発酵食大学(YouTube)は話しています。専用の鍋はアルミで薄く、湯がすぐに沸くのも使いやすい点だと話しています。18cmのものは、1人分の料理を一度に蒸せる大きさです。ガスのコンロは蒸気が上に上がるので何段も重ねて蒸せますが、ガス以外の熱源では上まで蒸気が届きにくく、1〜2段が目安と話しています。

使い方のコツ

ブロッコリーは最初から入れると蒸しすぎて柔らかくなるので、少し遅れて入れると話しています。きのこは、マリネの調味液ごと入れると10分もかからずに仕上がる、と話しています。蒸気を通したい料理は、紙を折りたたんで切り込みを入れ、穴を開けます。汁ごと食べたい料理は、穴を開けずに使う、と話しています。1つのせいろに野菜と肉や魚を一緒に入れると、1人分のおかずになる、と話しています。

手入れ・注意

手入れは簡単で、手間がかからないと発酵食大学(YouTube)は話しています。蒸し終わった紙は、そのまま捨てます。せいろは、さっと水で流すだけで、ほとんど洗わなくて済む、と話しています。乾かすときは、キッチンペーパーの上に置くか、フックに掛けます。しっかり乾かすのが、カビずに使えるポイントだと話しています。

出典

  1. 論文・英語 Renard CMGC, Brick H, Maingonnat JF, Kadelka C, Delchier N(2023) Relative role of leaching and chemical degradation in the loss of water-soluble vitamins C and B9 from frozen vegetables cooked in water
  2. 論文 大谷貴美子ら(2007) 大徳寺瑞峯院納豆の製造過程におけるDPPHラジカル消去活性の変化とその関連物質について
  3. 公的機関 浜松市 産業部 農業水産課(はままつフードパーク) 浜松の浜納豆のヒミツ
  4. 動画 発酵食大学 【腸活作り置き#52】せいろでと麹と野菜の蒸し料理3選|ヘルシーで体に嬉しいの発酵食品メニュー

解説動画: 【せいろ入門編】全然めんどくさくないむしろ楽でしかない!蒸篭の徹底解説!/Tomoe-Ya Kitchen Labo

竹・杉・ヒノキの違い: 木のせいろは竹・ヒノキ・杉・松があり、ヒノキ以外はほとんど同じだと言います。ヒノキは耐久性に優れて一生使えるとも言われる一方、竹や杉は一〜二年ほどが目安。ただ蓋まで揃えても数千円で買い替えられるため、まずは竹から使い始めたそうです。蒸すと木の香りがほんのり移る程度だとも話します。

使う前に水で濡らす: 使う前に、せいろ全体を水で濡らします。焦げ付きを防ぐためで、濡らしたあとは拭かずに水を切るだけ。しばらく置いて水を含ませてから材料をのせてもよいそうです。鍋に直接のせると焦げやすいので、受け台を挟むと安定すると勧めます。菜箸を渡す方法もあるが安定しないとのこと。加熱は三十分ほどまでを目安にという注意も添えます。

敷くものと蒸す時間: 材料が底に貼りつかないよう、さらし・ふきんやクッキングシート、キャベツの葉などを敷きます。油が木に染みるのを防ぐ役目もあるそうです。丸く切り抜いた紙でも普通の紙でも構わないとのこと。湯が沸いてからせいろをのせ、野菜と豚肩ロースなら強火で五分ほど。そのまま食卓へ出して器としても使えると話します。

茹でとの違いを味わう: 食べながら、茹でとは違ってうま味や甘みが残ると話します。茹でると栄養が湯に流れてしまうという言い方もしていて、塩を振るだけで足りると評します。皮ごと蒸した人参も、素材そのままの味だと言います。れんこんやかぼちゃ、舞茸も豚肉と一緒に同じせいろで蒸していて、調理そのものは五分ほどで済むと繰り返しています。

洗って、しっかり乾かす: 洗剤は使わず、たわしと水洗いで足ります。木に染みてしまうためで、汚れが目立つときだけ使えばよいとのこと。洗ったら乾いた布巾で水気を取り、風通しのよい場所で自然乾燥させます。天日干しはひび割れのもとなので避けます。しまうときは新聞紙に包み、カビが目立ってきたら買い替えどきだと話します。