白い膜が張ったらカビだから捨てる

発酵と腐敗

白い膜が張ったらカビだから捨てるは誤りで、なめらかな白い膜の多くは無害な産膜酵母です。

よく言われること

「糠床や梅干しの表面に白いものが出たら、カビだからもう駄目」。

実際はどうか

表面をなめらかに覆う薄い白い膜は、多くの場合は産膜酵母で、無害です。カビは立体的に毛羽立ち、青・黒・赤・緑などの色を持つという、はっきりした違いがあります。産膜酵母は混ぜ込んでしまって構いませんが、厚く張って刺激臭が出ているなら、その層はすくって捨てます。発酵食品を専門に扱う米チャンネルClean Food Livingは、産膜酵母は酸素を必要とするため漬け汁の表面にしか広がらず、液の中では生えないこと、まだら・平滑・縮れなど見た目に幅があること、気温が高いほど早く厚くなることを挙げ、口に入れても害はないと説明しています。コンブチャを専門に扱うKombuchaLizは、スコビーに付く緑がかった筋や塊、表面下にたまった気泡、部分的に厚くなった箇所もカビと見間違えやすい例に挙げ、いずれも酵母の塊や発酵で生じた気泡であって取り除く必要はないとしています。

なぜ広まったか

「白い=カビ」という連想と、パンや餅に生える白カビの記憶が重なったためです。加えて、産膜酵母という名前とその見分け方が、レシピにはほとんど書かれていません。仕込み方は書いてあっても、途中経過の読み方は書かれていない。

どう言えば正しいか

「なめらかな白い膜は産膜酵母のことが多い。毛羽立ちや色があればカビ」と、見た目の違いで言い分けるのが正しい伝え方です。

出典

  1. 動画・英語 Clean Food Living KAHM YEAST on FERMENTED VEGETABLES (How to identify & what to do about it)
  2. 動画・英語 KombuchaLiz It's NOT MOLD - 4 Most Common times people think they have mold but they actually don't

解説動画: カビが生えても捨てないで!梅にカビが生える原因と対処法、カビの見分け方まで梅仕事のトラブルを丁寧に解説/シクロエの家

白い膜の正体は酵母: 梅の表面に白い膜が出て梅酢が濁ると、カビが生えたと焦る人が多いと動画は言います。正体は産膜酵母という酵母の一種で、食べても害はありません。糠床にもよく見られる光景で、梅酢の濁りも白いので塩と紛らわしいと付け加えます。ただし放っておくと味が落ち、白カビ以外のカビが生える原因になるので、早めに手を入れる立場です。

塩粒とカビの見分け: 白い斑点が付いたとき、塩なのかカビなのか分からないことがあるとして、確かめ方を2つ挙げます。まず手で触ること——つぶつぶしていれば塩、ふわふわしていればカビです。それでも分かりにくければ、一度お湯につけてみる。塩は溶けてカビは溶けないので一目瞭然だとしています。膜のほうは薄く広がるので、粒とは見え方が違います。

色が付いたら別の話: 動画は梅干しに出るカビを白・黒・赤の3つに分けます。白カビは白い綿のようなものが表面を覆い、黒カビは黒い斑点として現れます。赤カビは、塩分が減った梅干しを常温に置きすぎると出るもので、毒性を持っている場合があり、嘔吐や下痢が出ることがあると注意します。

膜が出たあとの手当て: 表面に張っているだけなら、消毒したスプーンですくえば大丈夫だとしています。梅干しの梅酢まで濁って実にも膜がかかっている場合は、梅を全部取り出し、道具も梅もアルコールで消毒して乾かします。濁ってきたアルコールは替えると細かく言います。梅酢は紙のフィルターで濾し、酸に強い鍋で煮沸してアクを取る。冷ましてから戻す順です。

そもそも出さない: カビが出る原因を3つ挙げます。容器と器具の消毒の不足、梅に残った水分、そして塩分不足です。カビが増えるのは塩分15%以下と言われ、通常の梅干しの18〜20%では増えられないとして、自分で漬けるなら18%以上を勧めます。梅酢がかぶっていない梅には、時々瓶を揺すってかけるとしています。