納豆菌

酢酸菌・その他

熱にも乾燥にも負けない、強すぎる菌

どんな菌?

Bacillus subtilis var. natto。土壌や稲わらにいる枯草菌の一種で、芽胞(がほう)という耐久形態を作れるため、100℃の加熱でも死にません。この強さが、蒸した大豆に納豆菌だけを繁殖させられる理由です。

何をするか

大豆のたんぱく質を分解してうま味(アミノ酸)を出し、同時にポリグルタミン酸という粘り成分を作ります。あの糸は納豆菌が作った物質です。ビタミンK2を多く作ることでも知られます。

好む環境

40℃前後で最も活発。酸素を好みます。他の発酵食品の菌より圧倒的に強いため、混ざると乗っ取ってしまいます。

関わる食品

納豆。酒蔵や味噌蔵では、納豆を食べた人の立ち入りを制限することがあります—— 納豆菌が入ると麹菌や酵母が負けてしまうためです。家庭でも糠床やパン種を扱う日は納豆を避けるという配慮が効きます。

解説動画: 芽胞から発芽する納豆菌と、乳酸菌との関係/納豆ちゃんねる

ネバネバの中の芽胞: 納豆の粘りを顕微鏡で見ると小さなツブツブが見え、これが休眠している納豆菌の芽胞だと紹介している。適した環境になると芽胞から発芽し、分裂せずに一筋に伸び広がって文様のような形を描く。環境が変われば、また休眠状態の芽胞に戻る。胃酸にも負けず、生きて腸まで辿り着く強い菌の一つだとしている。

大腸菌との増える速さ比べ: 湿度と栄養、倍率をそろえた同じ環境で、納豆菌と大腸菌を同時にスタートさせて増える速さを比べている。大腸菌は20分に1回分裂する増殖の速い菌で、中には食中毒を起こすものもいるが、同じ条件で並べると納豆菌のほうが目に見えて速く増えていく。

乳酸菌を助ける: 乳酸菌は、体内で発生する過酸化水素のような活性酸素があると活動が弱まる—— 過酸化水素を分解するカタラーゼという酵素を持たないため。納豆菌はその分解酵素を持っている。そこで弱った乳酸菌に納豆菌の培養エキスを加えると、元気を取り戻して勢いよく増えたという実験を見せている。

稲わらと大豆: 水に浸して蒸した大豆に納豆菌が加わると納豆になる、という導入から始まり、最後は縄文時代に稲作と大豆が伝わり、土器で煮炊きする食文化があったところへ戻る。稲わらに付いていた納豆菌と大豆が出会ったときに納豆が生まれたと結んでいる。