セレウス菌

入ってはいけない菌

セレウス菌は、納豆菌と同じく芽胞を作るため加熱しても死なず、加熱後に常温放置された米などで増える細菌です。

どんな菌?

土や水、ほこりなど自然界に広くいる細菌で、納豆菌と同じく芽胞を作るため、加熱しても死にません。加熱した食品を常温で放置すると、生き残った芽胞が発芽して増えます。TBS NEWS DIG(Nスタ)は、東京大学大学院の教授が、ネギなどを触った手で米を洗うと菌が付いてしまうと話したと伝えています。

何をするか

嘔吐型の毒素(セレウリド)は熱に強く、再加熱しても壊れません。東京顕微鏡院は「126℃でも壊れず、酸やアルカリにも安定」と説明し、室温(20〜25℃)で約6時間たち、菌が10万個以上に増えると毒素ができるとします。米飯やパスタを炊いたあと常温に置くのが典型的な流れで、チャーハンや焼きそばに作り替えても防げません。

好む環境

増えるのは10〜50℃の範囲で、大阪健康安全基盤研究所は、嘔吐毒がよく作られるのは25〜30℃、8℃以下や40℃以上ではほとんど作られないと書きます。つまり「熱いうちに食べる」か「すぐ冷やす」かのどちらかしかありません。保存は5℃以下の冷蔵か65℃以上の温蔵、または冷凍が目安で、ぬるい放置がそのままリスクになります。

関わる食品

麹づくりや甘酒で蒸した米を扱うときは、この菌が最も近い脅威です。蒸した米を室温に長く置かず、狙った温度帯へ手早く運ぶ。残った仕込みは小分けにして急冷し、冷蔵してください。チェコの大学の研究チームは、ご飯・マッシュポテト・キノコソースの配達を想定した実験で、ポリプロピレンのトレイはサトウキビ繊維のトレイより、中身が増殖の目安とした40℃まで下がるのに50分余計にかかったと報告しています。

出典

  1. 資料 一般財団法人 東京顕微鏡院(伊藤武)(2016) 加熱しても死なない食中毒菌 1.セレウス菌による食中毒
  2. 公的機関 大阪健康安全基盤研究所(2022) 侮ってはいけないセレウス菌食中毒 ~加熱でやっつけることはできません~
  3. 論文・英語 Komprda T, Cwiková O, Kumbár V, Franke G, Kouřil P, Patloka O, Kameník J, Dušková M, Zouharová A(2025) Key Factors Influencing Bacillus cereus Contamination in Hot Ready-to-Eat Meal Delivery
  4. 動画 TBS NEWS DIG Powered by JNN “チャーハン症候群”にご注意! においや味で見分け困難…熱に強い食中毒菌 対策は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

解説動画: 【危険】“チャーハン症候群” 「セレウス菌」 食中毒 作り置きご飯&パスタに要注意!【サン!シャインニュース】/サン!シャイン公式ch.

チャーハン症候群: 常温で長時間放置したご飯類やパスタで起きる、セレウス菌が原因の食中毒を指す言葉だと紹介します。厚生労働省のデータでも気温の高い時期に多く発生しているとし、35℃を超える暑さが戻る週に合わせた注意喚起として組まれた回です。医師も、高温多湿の日が続いて患者が増えていると話します。

加熱では死なない: 自然界に広く存在する菌で、汚染される食品は穀物や豆類、乳製品など多岐にわたると説明します。100℃で30分程度加熱しても死滅しない耐熱性を持ち、増殖に適した温度は28〜35℃。この帯に入ると短い時間でも爆発的に増えます。加熱で減らすという発想が通じない相手で、増える前の温度管理と時間の管理が要だとまとめます。

見た目で分からない: 繁殖しても見た目や味、匂いにほとんど変化が出ないので、見分けることは難しいと言います。再加熱しても毒素は残るため、一度増えてしまえば後から防ぐ手はありません。症状は嘔吐型と下痢型に分かれ、日本では嘔吐型が多いそうです。嘔吐は1〜6時間で始まり、8〜10時間続く、特効薬はなく吐き気止めの点滴で経過を見るしかないと医師が話します。

冷ますまでが勝負: 対策は菌に増殖する時間を与えないことの一点だとします。7℃以下か65℃以上なら増殖を遅らせられるので、粗熱を取ってから冷蔵し、冷凍ならなお良いとします。下げる速さの目安として30分以内に20℃以下へという言い方も出ます。夏の冷蔵室は開け閉めで庫内の温度が上がるとも言い、冷凍したものでも夏場は2〜3日のうちに食べるよう勧めます。

弁当箱の中で冷まさない: 炊きたてのご飯を弁当箱に入れたまま冷ますのは×。中心の温度が下がりにくいうえ、結露した水分で菌が増えやすいためで、平らな器に広げて冷ましてから詰めるよう勧めます。空気のあるなしに関係なく増えるので、密閉やラップでは防げないとも言います。加熱した米をぬるいまま置かない——この項目はそこだけの話です。