煎茶

日本茶

煎茶は、日本の緑茶の8割を占める、蒸して揉みながら仕上げる茶です。

どんな味?

日光を浴びて育てた茶葉を、摘んですぐ蒸して酸化を止め、揉みながら乾燥させ、針のような形に仕上げた茶です。農林水産省の広報誌は、この製法は江戸時代に宇治で生まれたと紹介します。さわやかな香りと、うま味・渋み・苦みのバランスが持ち味です。静岡県立大学の総説は、一番茶は後の茶期よりアミノ酸が多く、二番茶や秋の茶はテアニンが少なくカテキンが多いと整理しています。

選び方

蒸し時間で性格が変わります。南九州市の解説では、深蒸しは普通煎茶の約2倍(60〜80秒)蒸し、繊維が砕けて細かい葉や粉が多く、渋みと苦みが少なくまろやかでコクがあり、濃緑色の水色になります。香りは弱いものの深みがあります。茶を扱う Mei Leaf は、葉が砕けて見えるのは製法によるもので、品質の良し悪しとは別だと話します。

向いている淹れ方

宇治茶の事務局は湯温70〜80℃、浸出45秒〜1分、静岡県は上茶70℃・並90℃で60秒(深蒸しは30秒)と案内します。茶を扱う Mei Leaf は、葉が砕けたものは70℃・形の残る葉は75℃から試すと話します。熱湯だと苦みと渋みが出やすくなります。二煎目は待つ時間を短くし、Mei Leaf と、同じく茶を扱う Nioteas TV は20秒です。

保存

光・湿気・においに弱いお茶です。お茶の事業者である伊藤園の「お茶百科」(お茶全般の案内)は、未開封ならそのまま冷蔵庫か冷凍庫で保存し、出したら常温に戻してから開けるよう勧めます。開封後は密封できて光を通さない容器で冷暗所に置き、冷蔵庫はにおいが移り出し入れで湿気を帯びるため避けます。使い切る目安は開封後2週間〜1か月です。

出典

  1. 論文・英語 Unno K, Kameoka Y, Nakamura Y(静岡県立大学 茶学総合研究センター)(2026) Compositional Diversity and Functional Interactions of Bioactive Compounds in Japanese Green Tea: Focus on Matcha, Sencha, and Gyokuro
  2. 公的機関 農林水産省 特集1 緑茶(2)(aff 1704号)
  3. 公的機関 南九州市 深蒸し煎茶
  4. 公的機関 静岡県 経済産業部農業局お茶振興課 おいしいお茶の入れ方
  5. 公的機関 宇治茶世界文化遺産登録推進プラットフォーム事務局(京都府) お茶のおいしい淹れ方
  6. 資料 伊藤園 お茶の保存方法(お茶のおいしいいれ方|お茶百科)
  7. 動画・英語 Mei Leaf HOW TO BREW SENCHA GREEN TEA - Masterclass
  8. 動画・英語 Nioteas TV Stop Ruining Green Tea! Brew It Properly With These Tips

解説動画: 【お茶の種類】8種の緑茶の種類を徹底解説/名もなき茶師 / 新井製茶

日本緑茶の定義: 植物としてはツバキ科ツバキ属チャ節(学名 Camellia sinensis)。日本緑茶の特徴は、摘み取ったあとすぐに蒸すことで、この工程によって緑色が保たれる。

なぜ蒸すのか: 摘んだ生葉を熱を加えずに放置すると、しおれて赤みを帯びてくる。これを萎凋(いちょう)と呼び、萎凋させて作るのが烏龍茶や紅茶。つまり日本緑茶は「萎凋させず、すぐ蒸したもの」と定義できる。

煎茶の中の分類: 日本緑茶には8種類あり、代表が煎茶。煎茶はさらに蒸し具合で分類される—— 浅蒸し・普通蒸し・中蒸し・深蒸し・特蒸し。浅蒸しは蒸し時間が短いぶん葉の組織が壊れにくく、茶葉の形が残る。この形状の違いが見分けの手がかりになる。