一間社と三間社
本殿の形
本殿の正面の柱間を数えた呼び名です。「一間社流造」「三間社流造」のように屋根の形の前に付き、社殿の幅と扉の枚数を表します。
どんな形か
身舎の正面で、柱と柱の間がいくつあるかを数えた言い方です。間が一つなら一間社、三つなら三間社で、一間社は扉が一枚、三間社は三枚が基本になります。国指定文化財等データベースの指定説明では屋根の形の名の前に付き、流造や春日造と組んで「一間社春日造」のように書かれます。幅が広がるぶん屋根も長くなり、奈良県奈良市の円成寺春日堂のような一間社と、滋賀県野洲市の大笹原神社本殿のような三間社では、正面の姿が倍ほど違います。
見分けの決め手
身舎の正面に立つ柱を数え、間の数に読み替えます。柱が二本なら一間社、四本なら三間社です。数えるのは屋根を受ける身舎の柱だけで、前へ張り出した向拝の柱は含めません。向拝の二本を足すと、一間社が三間社に化けます。柱の間隔は等しいとは限らず、中央を広く取る例もあるため、間隔ではなく本数で数えます。扉の枚数も裏取りになり、京都市の賀茂別雷神社本殿は三枚の扉を持つ三間社です。
取り違えやすい相手
読み違えの相手は柱そのものです。向拝の柱間を数えた三間社と、本殿覆屋の柱間を本殿と見た三間社が、どちらもよく起きます。雨落ちの内側にある身舎の柱だけを追います。二つの読み違えはどちらも、正面から一枚の絵として眺めたときに起きるので、柱の足元がどこに載っているかまで確かめます。島根県松江市の神魂神社本殿のような大社造は正面が二間で扉が中央から外れるため、この数え方がそのままは当てはまりません。
どこに立つと見えるか
正面に立ち、屋根ではなく床の上の柱を見ます。斜めからでは奥行きの柱が重なり、本数が読めません。柱の根元が並ぶ高さに目線を合わせると、身舎の柱と向拝の柱が前後に分かれます。柱間の呼び名は社殿の格を表すものではなく、大きさを言うための数え方です。京都府宇治市の宇治上神社本殿のように本殿覆屋がある社殿では、格子越しに内殿の扉の枚数を数えるほうが確かです。