八幡造

本殿の形

切妻造・平入の二棟を、前後に並べてつないだ社殿です。二棟の軒が接する場所に谷ができ、そこへ樋を渡して雨を横へ流します。

どんな形か

平入の切妻造の建物を前後に二棟並べ、間を相の間でつないだ社殿です。手前を外殿、奥を内殿と呼び、二棟の棟の高さはほぼそろいます。軒どうしが接する部分は谷になり、そこへ樋を渡して雨水を横へ落とします。大分県宇佐市の宇佐神宮上宮本殿は同じ構成の三殿が横に並び、京都府八幡市の石清水八幡宮本社も八幡造として国宝に指定されています。

見分けの決め手

棟の数を数えるところから始めます。横手に立つと棟が二本並び、その高さがそろって見えます。間には深い谷が沈み、横から見た輪郭は谷を挟んだ二つの山になります。切妻造を前後に二つ置いた形と考えると分かりやすく、愛媛県松山市の伊佐爾波神社本殿は谷と樋を外から確かめられる例です。大分県大分市の柞原八幡宮本殿でも前後二棟の構成が側面に出ます。

取り違えやすい相手

見比べる相手は、本殿と拝殿を石の間でつなぐ権現造です。前後の棟の高さがそろうかどうかで分けます。権現造は拝殿と本殿で棟の高さが違い、中央が低くくびれます。八幡造は二棟が同じ高さで並び、谷の底に樋が通ります。栃木県日光市の東照宮と大分県宇佐市の宇佐神宮上宮本殿を横から比べると差が出ます。正面からはどちらも一棟に見えます。

どこに立つと見えるか

屋根の谷が見える高さに立てるかどうかが鍵になります。谷は上から覗く向きでないと分からず、正面では軒が一本に重なります。京都府八幡市の石清水八幡宮本社は回廊の外から、愛媛県松山市の伊佐爾波神社本殿は石段を上がった境内から側面が見えます。雨の日は樋から落ちる水の位置が谷を教えます。大分県宇佐市の宇佐神宮上宮では玉垣越しに三殿の並びを見ます。