ダイサギの夏羽と冬羽

季節で姿が変わる組

嘴の色が季節で入れ替わります。冬は黄色、繁殖期は黒です。同じ個体の同じ嘴が別の色になるので、白いサギを嘴で決める手順は、季節とセットでしか使えません。

並べる2種

並べるのは別の種ではなく、ダイサギの夏羽と冬羽です。冬は嘴が黄色、眼先も黄色で、繁殖期に入ると嘴が黒く、眼先が青みがかった色に変わります。さらに胸と背から長い飾り羽が伸び、輪郭の印象まで変わります。全身の白さと、全長90cmほどの大きさは季節を通して動かないので、同じ個体だとたどれるのはこの2点です。季節をまたいで同じ川で見る鳥なので、姿の変わり方のほうを覚えます。

決め手になる1点

嘴の色と眼先の色です。冬羽の黄色い嘴は遠くからでも目立ち、繁殖期の黒い嘴は顔の青みと一緒に現れます。2つは同じ時期に動くので、嘴が黒く眼先が黄色いままという組み合わせは長くは続きません。飾り羽も同じ向きに動き、嘴が黒い個体には背の飾り羽が伸びていることがほとんどです。同じ水辺のアオサギは嘴がここまで裏返らず、比べる相手に使えます。

その1点が使えない条件

換羽の途中は、嘴が黄色と黒の中間になります。春先と夏の終わりに数週間この状態が続き、色の名前をつけられません。ここで効かなくなるのがダイサギとコサギの手順で、嘴が黒ければコサギという読み方が夏には裏返ります。コサギは通年黒い嘴に黄色い足指なので、色ではなく足元へ移ります。コサギは全長60cmほどでひとまわり小さく、大きさも同じ向きに効きます。春先と秋口は、白いサギの前で手順の順番を入れ替えることになります。

よくある取り違え

チュウサギとの取り違えです。この種も繁殖期に嘴が黒くなり、白さも姿も近く見えます。分かれ目は嘴の口の切れ込みで、ダイサギは目の後ろまで裂けて見え、チュウサギは目の下で止まります。日本鳥学会「日本鳥類目録 改訂第8版」ではダイサギに複数の亜種が置かれ、日本で繁殖するものと冬に渡って来るもので渡りが違うため、同じ場所の白いサギが季節で入れ替わることもあります。

決められないときの引き下がり方

換羽の途中で嘴が中間色なら、夏羽か冬羽かを決めないままにします。「ダイサギ、嘴は移行中」と書けば足り、日付の欄がその記録の意味を残します。種のほうも迷うなら、足指の色と口の切れ込みが読めるまでコサギと並べず、近づかずに待てる距離から見送ります。飛ばれてから確かめ直すより、同じ距離で待つほうが結局は近道です。距離を詰めずに待てた日の記録が、次の季節の基準になります。