絵筆
筆・道具
毛と形で画面の表情が変わる道具
どんな道具か
毛の硬さ・形・大きさの三つで選ぶ道具。硬い豚毛は絵の具を押し出すので筆あとがそのまま残り、油彩やアクリル絵の具に向く。柔らかいイタチ・テン系や合成毛は水を多く含んでなめらかに流れるため水彩向き。絵の具が同じでも、筆を替えると画面の表情がいちばん大きく動く。
選び方
形は三つ覚えれば足りる。平筆は面と直線、丸筆は線と点、フィルバートは平筆の角を丸めたもので境目をぼかしやすい。1本200〜2000円ほど。最初は大・中・小の3本だけにして、太い筆で描く時間を長くとると絵がまとまる。
使い方のコツ
力を入れるのは手首ではなく腕。寝かせるほど広く、立てるほど細く出る。絵の具は穂先の三分の一までに留める。根元まで含ませると毛が広がり、形が戻らなくなる。細部から入らず、大きい面を先に置いてから小さい筆に持ち替える。
手入れ・注意
使ったらすぐ洗う。油彩は筆洗油で振り洗いしてから石鹸とぬるま湯、水彩とアクリルは水だけでいい。筆洗器に立てたままだと穂先が曲がる。洗ったら指で形を整え、穂先を下か横にして乾かす。上向きにすると根元に水が溜まり、毛が抜ける原因になる。
解説動画: 水彩の筆選び、セーブルと混毛を塗り比べる/Watercolor by Shibasaki
筆をどう分けているか: 形は平筆と丸筆が基本で、ごく細い線を引くための極細の面相筆まで並べて見せている。もう一つの分け方が毛で、動物の毛か化学繊維かに分かれる。硬い筆は油彩用で水彩には使わないとまず線を引き、水彩には柔らかい筆が要ると説明している。
セーブルと混毛の見分け: 柔らかい水彩筆は、動物の毛だけのものと、動物の毛に化学繊維を混ぜたものに分かれる。見た目や手触りでは判別しにくく、店頭ではキャップがはまっていて穂先を触れないので軸の表示を読むしかないと言う。値段の差は大きく、混毛は2000円前後で買える。
塗って比べた違い: 動物の毛のほうは穂先が柔らかく水の含みがよくて広く塗れる反面、塗った先に絵の具の溜まりができるので放っておかないよう注意している。筆圧を強くかけると穂先が曲がり、形を直さないと続けて塗れない。混毛は少し硬めで含みは控えめ、溜まりができにくく、強く押しても穂先が曲がらないので連続して塗れる。
どちらを選ぶか: どちらがよいかは本人の選択に任せるとして、優劣は付けていない。ただしどんな良い筆でも長く使えば必ず傷むので、そうなったら買い替えるものだとも言う。自分は混毛の丸筆一本で一枚を仕上げていると明かしている。