明度
色
明度は、色の明るさ。白に近いか黒に近いか。
どういう意味か
その色を白黒にしたとき、白から黒までのどのあたりに来るかが明度(英語ではvalueやtone)。黄色は高く、紺色は低い。色みが違っても明度は同じということが起きるので、鮮やかな色を並べただけでは、どこに何があるのか形の見えない画面になることがある。Marco Bucciは、絵を読み取れるものにするのは色ではなく明度で、色相や彩度の選びも最後は明度に行き着くと話す。
どこで出てくるか
デッサンで灰色の濃淡だけを先に決めるとき、見ているのは明度。写真の編集アプリでは「輝度」「明るさ」という名前で並ぶ。マンセル表色系は理想の黒0から白10の段階で明度を表し、日本色彩研究所のPCCSは、黄を最高明度、青紫を最低明度にして滑らかに移るよう色を選ぶ。白黒表示にすれば明度だけが見えるが、Marco Bucciは「色相・彩度」で彩度を抜く方法は色を均してしまい不正確と注意する。
使い方
主役と背景の明度をずらすと、色を変えなくても主役が立つ。逆に明度がそろっていると、彩度をどれだけ上げても画面はのっぺりする。さいとうなおき2は、手前と奥の影を同じ色で塗ると距離も同じに感じられて奥行きが出ないので、奥のほうを少し暗くするとよいと、箱や髪の例で説明する。迷ったら一度白黒にして、主役が見えるかどうかを確かめる。コントラストの正体もこの差。
出典
- 公的機関 一般財団法人日本色彩研究所 episode1:PCCS(日本色研配色体系)とは
- 公的機関・英語 Tate Tone – Art Term
- 資料・英語 Japan Color Design Institute(artience のコラム)(2015) Basics #03 Munsell Color System
- 動画・英語 Marco Bucci Something strange you should know about color | QUICK ESSENTIALS
- 動画 さいとうなおき2 『色塗り』は一発で上手くなります。
解説動画: 明度を三属性と色立体の中に位置づけて理解する/フェルちゃんねる
明度をどこに置いているか: 色は三つの情報がそろわないと決まらない、という組み立てで話が進む。ある色を再現するとき、赤みを決め、白っぽくし、くすませる、という順で考えていることを実演し、その三つを色相・彩度・明度と呼ぶ。明度は明るさの度合いという位置づけになる。
上げ下げで何が起きるか: モンドリアンの作品の色を差し替えながら、三属性をそれぞれ動かして見せる。明度を上げると白に近づき、下げると黒に近づく。いちばん明るい色が白、いちばん暗い色が黒という端の決まり方も、同じ流れで押さえている。彩度を下げきると白黒写真のような見え方になる。
色立体の中での明度: 三属性をまとめて立体にすると、縦方向が明度、横方向が彩度になり、上から見ると色相環になる。外側ほど混じり気のない純色、中心に寄るほど白や黒の無彩色。無彩色の中では白がいちばん明度が高く、黒がいちばん低いと整理している。