暖色と寒色

色

暖色と寒色は、温度の差で奥行きと空気を作る。

どんな型か

赤・橙・黄を暖色、青・青緑・青紫を寒色と呼び、緑と紫はその中間に置かれる。ただしこの中間の扱いは絶対ではなく、2025年にアメリカ・ネバダ大学リノ校のチームが、研究者2人を含む25人に36種類の色相を「とても暖かい」から「とても冷たい」までの7段階で答えてもらった実験では、はっきり系統立てて答えた19人の中で赤と黄は暖色、青と緑は寒色にまとまり、暖色と寒色を分ける境目の1つは青みがかった紫のあたりに来ていた。もっとも暖色・寒色らしいと感じられた色ほど彩度が低く、逆に境目にあたる色ほど彩度が高かったという。暖色は手前に出て、寒色は奥へ引くように見える性質があり、画面の同じ平面に並べた色どうしでも、前後が分かれて見える。

何が起きるか

画面を暖かい側と冷たい側に分けると、大きさや線を変えなくても奥行きが出る。遠くの山が青くかすんで見える空気遠近法も、同じ理屈で説明できる。暖色・寒色は色そのものに固定された性質ではなく隣り合う色との比較で決まる、とProkoの解説動画は説明しており、同じ灰色でも暖色寄りの列に置けば寒色寄りに、寒色寄りの列に置けば暖色寄りに見える実演を示している。星月夜では、青い夜空の中に黄の光がいくつも置かれ、暗い画面の中で光だけが手前に出て見える。

使い方

絵では主役側を暖色、背景側を寒色に寄せると分かれる。紫や黄緑のような中間の色を暖色・寒色のどちらかへ寄せたいときは、紫には赤みを、黄緑には青みを少し足すと傾けられる、と283大学は動画で話している。写真はホワイトバランスで全体の温度を動かせて、ケルビン値を上げると画面は暖色に、下げると青に寄る(光そのものの色温度とは向きが逆)。日陰は青、夕方は橙に転ぶことも覚えておく。

やりがちなミス

画面全部を暖色にすると奥行きが消えて平たくなる。どちらかに寄せるときも、少しでいいので反対側の色を残す。人物の肌を寒色に寄せると血の気が引いて見えるため、背景だけ冷やして肌の色は戻すほうが無難になる。暖色と寒色の境目の感じ方には個人差があり、紫や黄緑をどちらと見るかで意見が割れても不思議ではない。

出典

  1. 動画 283大学 紫って暖色か寒色かわかる??
  2. 動画・英語 Proko Learning Color Temperature Will Change How You Paint
  3. 論文・英語 Jake Manalansan, Lorne A. Whitehead, Michael A. Webster(2025) Warm versus cool colors and their relation to color perception

解説動画: 暖色と寒色の分け方と、進出色・後退色の効き方/フェルちゃんねる

暖色と寒色をどう分けているか: 2枚の絵を見比べて、どちらが暖かく感じるかから入る。赤系を暖色、青系を寒色と呼び、緑系と紫系は暖かくも寒くもない中間に置くと整理している。水は冷たく、赤は炎のように暖かい、といった連想がその感じ方の元になっていると触れている。

近くに見える色と遠くに見える色: 2つの山の絵でどちらが近く感じるかを尋ね、片方は手前に、もう片方は遠くに見えると確かめている。これを進出色・後退色と呼び、赤系は近くに見え、青系は遠くに見えると説明する。遠くのものが青く薄く見える空気遠近法とも結び付け、遠く感じるほうの山は遠景の富士山のようだと話している。

温度のほかに色が伝えるもの: 色は重さも感じさせるとして、別の2枚では一方が重く、もう一方が軽く見えると確かめている。赤系の部屋にも同じ理屈が当てはまるのかという問いには、原理で言えばそうなると留保を付けて答えている。まとめでは、色から温度と重さと距離が読み取れると整理している。