類似色

色

類似色は、隣り合う色でまとめて静かにする。

どんな型か

色相環で隣り合う2〜3色だけでまとめる組み方。青と青緑と緑、黄と橙と赤といった並びになる。色の数が減るぶん画面がまとまり、落ち着いた印象になる。派手さは出ないが、配色としては失敗がいちばん少ない。アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の研究者が、色の組み合わせへの好みと調和の感じ方を比べた2011年の実験では、色相が近い色どうしほど調和の評価も好みの評価も高くなった。

何が起きるか

近い色ばかりなので、目は色の切り替えに力を使わず、形や光のほうに注意が向く。睡蓮の水面は青から緑、紫までの隣どうしの色で覆われている。燕子花図屏風も、金地の上をほぼ群青と緑青という隣り合う2色で描いている。スティーブン・バウマン(Stephen Bauman)の油絵の解説動画は、トーマス・ウィルマー・デューイングの絵を例に、類似色でまとめた画面の中にごく小さく補色を差すと、そこだけ強く目に留まると説明している。

使い方

絵では主となる色を1つ決め、その両隣までで塗り切る。写真はホワイトバランスをわざとずらし、画面全体を1方向へ寄せると近い効果になる。朝もやや夕暮れ、雨の日は自然と類似色の景色になるので、そういう時間を選ぶのが早い。絵の具を混ぜるときは、いちばん弱い色から始め、そこへ隣の色を少しずつ足していくと急に変わらず滑らかに混ざる、と類似色の混色を教えるYouTuberのJescia Hopperは話している。

やりがちなミス

まとまりすぎて主役がどこにいるか分からなくなるのがこの型の弱点。色で差をつけられない以上、明度の差か大きさの差で主役を立てる。彩度まで近づけると、写真では単に色の薄い失敗写真に見えてしまう。Webデザインの解説動画でmikimiki webスクールは、補色をコントラストの強い配色、類似色を統一感を生む配色として対比させて説明している。はっきりした差を見せたい場面には補色のほうが向く。

出典

  1. 論文・英語 Karen B. Schloss, Stephen E. Palmer(2011) Aesthetic response to color combinations: preference, harmony, and similarity
  2. 動画・英語 Stephen Bauman Color Theory BASICS for oil painting
  3. 動画 Jescia Hopper 絵画入門:類似色配色
  4. 動画 mikimiki webスクール 【デザイン基礎講座】もう迷わない!色の配色を完全マスター!

解説動画: 色相かトーンをそろえてまとめる配色の考え方/「オンスク.JP」資格、語学、スキルアップなど

まとまって見える配色の呼び名: 色彩検定の講義で、一つの色相やトーンで全体がまとまって見えることをドミナント効果と呼ぶと説明している。ドミナントは支配的・優勢という意味だという。写真の例を左右に並べ、色相がそろって見える場合とトーンがそろって見える場合の違いを確かめさせている。

色相をそろえる: ドミナントカラー配色は色相をそろえた組み方で、同一色相から類似色相の範囲・3色以上という条件がある。トーンのほうは自由に選んでよい。例題では隣り合う色相の2つを、淡いトーンと明るいトーンで組み合わせ、色相が一つに統一されて見えることを色相環の上で確かめている。

トーンをそろえる: ドミナントトーン配色は逆にトーンをそろえる組み方で、条件は色相は自由・トーンは同一〜類似の3色以上となる。例題では色相環の離れた位置にある4色を同じ深いトーンで並べ、色相がばらついてもトーンが同じならまとまることを示している。

明度差で差をつける: トーンオントーン配色は「トーンを重ねる」の意で、日本語では同系色相の濃淡配色にあたる。色相は同一から類似でまとめ、トーンは類似から対照まで使いつつ、明度差を比較的大きく取るのがポイントだという。例題は明るいトーンと暗いトーンの組で、類似色相の対照トーンになる。