一点透視
視線の導き方
奥の一点にすべての線を集める
どんな型か
奥行きへ向かう線を、画面の中の1点(消失点)にすべて集める遠近法。15世紀初めのフィレンツェでブルネレスキが原理を示し、1435年にアルベルティが『絵画論』で誰にでも使える形にまとめた。消失点が1つなので画面は正面向きになり、整った静けさが出る。
何が起きるか
線が集まる点は見る人がいちばん最後にたどり着く場所であり、そこに置いた主役は自動的に主題になる。最後の晩餐は天井や壁の線を中央のキリストの顔に集めてあり、消失点と主役が重なる形の代表として挙げられる。アテネの学堂でも、消失点は中央に立つ二人の間に来る。
使い方
絵では地平線、つまり自分の目の高さを先に引き、その線上に消失点を1つ打ってから、奥行きの線をすべてそこへ向ける。写真は被写体の面に対してカメラを真正面に構えることが条件で、少しでも振ると二点透視になる。廊下やトンネルなら中心線に立って水平を取ると決まりやすい。
やりがちなミス
正面から外れると線がそろわず、狙いが中途半端に終わる。広角レンズで寄ると端ほど像が引き伸ばされ、柱や人が外へ膨らんで見える。カメラを上に振ると建物が台形になるので、傾けずに立つ位置と高さで直す。整いすぎて説明的になりやすい点はシンメトリー構図と同じで、崩す一点を置くと生きる。
解説動画: 消失点と目の高さから始める一点透視の描き方/Chaca-Yucky中学校美術教材
消失点はどこにあるか: 建物の軒や側溝、塀の線を延長すると一か所に集まる写真を出し、地面に平行な線は延長すると一か所に集まると説明している。この集まった点が消失点で、消失点は地平線上にある。そして地平線は見る人の目の高さでもあるため、写真からカメラの高さや撮った人の背丈まで読み取れる、としている。
線遠近法の起こりと最後の晩餐: この見方を見つけて絵を描く方法にしたのが14世紀から16世紀のルネサンスの人たちで、これを線遠近法と呼び、消失点が一つに集まるものが一点透視図法だと整理している。有名な例として《最後の晩餐》を挙げ、消失点を求めるとキリストの額に集まると示している。
描く手順: まず地平線(アイレベル)を引き、その線上に消失点を決める。次に正面の形を四角や三角で描き、それぞれの角から消失点へ線を引く。奥行きは手前の縦線や横線と平行に切り、余計な線を消せば立体になる、という順で進めている。地平線の高さと消失点の位置で構図が変わるので、どちらもとても大事だと言う。
どこに置くと何が見えるか: 空中に浮かべた箱は底の面が見え、地平線に重ねて描くと上の面も底の面も描けない。上下の面が見えない位置が目の高さという確かめ方になると言う。消失点に重ねて描いた箱はただの四角になって立体に見えないが、くりぬいた形なら見えるので、部屋の中の表現に向くと説明している。