根の内側に届く酸素

酸素の届きかた

根は、内側ほど酸素が薄くなります。切り開いた根の切片では酸素の消費が2〜6倍に見え、無傷の根では外からの拡散が追いついていないことが分かります。

何が起きているか

酸素は表面から拡散で入るので、中心へ行くほど薄くなります。太い根の中心と、根が絡んで束になった塊の内側は、どちらも「拡散する距離が伸びる」という同じ話です。切り開いた根の切片では見かけの酸素消費が2〜6倍に増え、無傷のままでは外からの供給が追いついていないことが分かります(Jiménez ら 2024)。

何が効いているか

距離を決めるのは根の太さと、束の詰まり具合です。根の太さが増すほど中心までが遠く、根が層になれば塊全体が一本の太い根のようにふるまいます。温度が上がると呼吸が速まり、同じ距離でも内側が先に薄くなります。霧が塊の中まで入るかは根の中まで入るか、抜け方の設計は根の塊を多孔質として扱うが扱います。

目で見て分かること

外から見えるのは表面だけなので、塊を手で分けて内側の色を見ます。外側が白いのに内側だけ褐色なら、届いていない側です。根が絡んでマットになるや根が茶色く変わるは、この見え方から始まります。株の側では昼だけしおれて夕方に戻るという形で、吸える量の頭打ちとして出ることがあります。外側だけを見て決めると、内側で進んでいる変化を取り落とします。

どこまで確かめられているか

切開すると見かけの酸素消費が2〜6倍、根の組織の中で5 µm刻みの急な酸素勾配は、Jiménez ら 2024(Plant Physiology)が測定法を論じた中の値で、病気ではなく測りかたの話です。噴霧の底で根が層になったとき内側で何が起きるかを測った資料は見当たりません。太さと束の効きかたも、分けて測られていません。

解説動画: Oxygen Levels in Soil/Ansel Farm

根も呼吸している: 動画は、酸素が要るのは人だけではなく植物も同じだ、と始めます。根の呼吸が根のエネルギーを作り、その力で水と必要な養分を土から吸い上げる。土の酸素が少ないと呼吸がうまく回らず、生育が遅くなり、養分の吸収が落ち、根が枯れ戻ることもあると述べます。ここが以降の話の土台になります。

内側へ空気を送る道: 酸素の少ない場所に置かれた植物は、根の中に空気で満たされた空間を作ると続きます。動画はこれを通気組織と呼び、地上部から根へ酸素を送り届ける仕組みだと説明します。冠水した田で育つイネのように、水浸しや締め固まった土で育つ植物によく見られる形で、これがあるおかげで根は働きを保てるそうです。

根の出かたが変わる: 少ない酸素は、根の作りそのものも変えると述べます。動画は、主根の系からではなく茎から直に出る根が増え、外へ広がって周りの酸素と養分に手を伸ばすと説明します。根の密度が上がるぶん土を探る幅が広がり、条件が悪くても伸び続けられる、という話です(根が新しく出るところ)。

まわりの微生物: 変わるのは根だけではありません。よく空気の通る土では有益な微生物が働き、有機物を分解して養分を出し、病気から株を守ることもあると述べます。酸素が減ると嫌気性の微生物のほうが優勢になり、メタンのような有害な副産物を出して養分の巡りを狭めると続けます(根の浸出液と微生物)。

薄い側で起きること: 最後は窒素です。空気のよく通る土では硝酸態の窒素をよく吸えて葉が育ち、酸素の多い少ないが根の呼吸から養分の巡りまでの土台になる、と結びます。土が主語の動画ですが、酸素が薄い側で何が起きるかの並び——呼吸が落ち、根が枯れ戻り、内側へ空気を送る形が出る——は、霧の底で根が層になった根が絡んでマットになるの内側にも読み替えられます。