濃すぎと薄すぎの見えかた

欠乏と過剰の見え方

濃すぎる側は、水を吸えなくなる形で出ます。葉の縁が焼けたり水があるのにしおれたりし、薄すぎる側は色が淡くなって伸びが鈍ります。

何を担う成分・数字か

元素ごとの過不足ではなく、液全体の濃さがずれたときの見え方です。濃い側では根のまわりの浸透圧が上がり、水があるのに株の中へ入っていきません。伸びが鈍り、葉が大きく広がらなくなります。薄い側は入る量そのものが足りず、株全体が淡く小さくなります。数字そのものは養液のECに、単位の読み替えは養液の単位と換算にあります。

目安の範囲

バターヘッドレタス 'Higgs' を湛液水耕で 21 日育てた試験は、EC 1.5〜2.0 dS/mとEC 4.5〜6.0 dS/mを、光の強さ3水準と組み合わせて比べています(Akter ら 2026、Scientific Reports)。低いほうが育ちも収穫量も上でした。ここでの高い側は、塩ストレスを与えるために意図して置いた水準です。

動かすと何が変わるか

同じ光の条件どうしで比べると、1株あたりの生重量が 57.97 g から 13.98 g へ落ちました(Akter ら 2026)。著者は根のまわりの浸透ポテンシャルが上がり、水が使えなくなって細胞が広がらなくなると説明しています。窒素・リン・カリウムの取り込みも下がりました。レタス1品種・21日の結果で、そのまま他へは渡せません。

測りかたと直しかた

EC計で槽を読み、同じ時刻・同じ深さで測って並べます。外れたときは、濃ければ原水を、薄ければ養液を足す——その判断は補水と追肥にあります。槽の数字が合っていても、根の表面はもっと濃いことがあります。霧の粒が乾いて塩だけ残る側は根のまわりのECに、しおれ方の見分けは昼だけしおれて夕方に戻るにあります。

解説動画: 【ミニトマトの育て方】肥料切れのサイン5選/とまたろう

株全体の色を見る: 畑のミニトマトで、肥料が切れてきたときに株が出すサインを5つ挙げる回です。1つ目は色で、株全体の緑が薄くなってきたら切れかけだと述べます。比べるものがないと分かりづらいので、同じ株の濃い葉と薄い葉を並べる、隣の家のミニトマトと見比べる、といった比べる相手を持つ読み方を勧めます。

葉の大きさと向き: 2つ目と3つ目は葉です。見るのは成長点から20cmほど下の葉で、あれほど茂っていたのに小さくなってきたら切れのサインだと述べます。向きはさらに分かりやすく、下へくるんと巻いていれば効いている、上を向いて万歳していれば切れていると説明し、理想は少し下へカーブしているくらいだと言います。

茎の太さを見る: 4つ目は茎です。ミニトマトの茎は水加減や肥料加減で太くなったり細くなったりするので、ここでも成長点から20cmほど下を見ます。そこが急に細く弱々しくなっていたら切れのサインで、同じ畑に埋まっていても場所によって切れているかどうかは茎の太さを見れば分かる、と述べます。

実の味と花つき: 5つ目は実の味で、切れてくると甘味が減り、味が乗らなくなると述べます。追肥すれば味は戻るので、1段目・2段目と段ごとに移り変わる味として見ていくとよいとも言います。おまけとして、花がつかなくなるのは肥料が多すぎても起きるため5つには入れなかった、と付け加えています。

サインで決める: 1回目の追肥は第1果がビー玉くらいに膨らむころが目安、ただし有機肥料はゆっくり、化成肥料は速く効くかわりに切れやすく、土質でも変わると言います。だから株の出すサインを見てから追肥を決めるのが長く採り続ける道だと結びます。ここに並ぶのは薄い側の見え方だけです(→補水と追肥)。