養分の動きやすさ
欠乏と過剰の見え方
古い葉から出るか、新しい葉から出るかで分かれます。株の中を移動できる養分は下の葉から、動けない養分は先端から症状が出ます。
何を担う成分・数字か
株の中を移り歩ける養分と、いちど収まった場所から動けない養分があります。窒素・リン・カリウム・マグネシウムは新しい伸びのほうへ引き抜かれるため、足りなくなると古い葉から色が抜けます。カルシウム・ホウ素・鉄・マンガンは動きにくく、伸びている先端と新しい葉のほうに先に出ます。組成そのものは多量要素と微量要素にまとめてあります。
目安の範囲
振り分けの根拠にしたのはノースカロライナ州立大学の Extension Gardener Handbook で、窒素・リン・カリウム・マグネシウムを株の中を動く側、ホウ素をとても動きにくい側、鉄を古い葉にたまったまま動きにくい側と書いています。フロリダ大学 IFAS の HS796がトマト向けに置く値でも、鉄 2.8 ppm・ホウ素 0.7 ppm と入れる量そのものが小さい元素です。
動かすと何が変わるか
見る場所を決めると、手当ての向きが変わります。下の葉から出ていれば入れている量、新しい葉と先端から出ていれば届き方を先に疑うことになります。ただし根の側の条件が変われば、同じ液でも受け取れる量は変わります。ヒマワリとトウモロコシでは、水耕の液を穏やかに撹拌しただけで葉緑素と鉄が落ちました(Langenfeld と Bugbee 2025、一次研究)。
測りかたと直しかた
何枚目の葉に出ているかを、株ごとに書き留めます。位置が分かるだけで、候補はおよそ半分に減ります。足す前にEC計とpH計で液を読み、pHと養分の溶けかたのほうが先ではないかを見ます。似た見え方は別の原因でも出ます。根の傷みや酸素不足も同じ黄化に見えるので、新しい葉だけが黄色くなると突き合わせます。
解説動画: Farm Basics #1152 Mobile and Immobile Nutrients In Plants (Air Date 5-3-20)/Ag PhD
下の葉から出るとき: 動画はまず、株の中を動ける養分の話から入ります。窒素・リン・カリウムが足りなくなると、株は新しい伸びのために下のほうから引き抜く。だから色が変わるのは下の葉のほうです。窒素とカリウムでは黄色く、リンでは紫がかると、色まで分けて言います。
上の葉から出るとき: 動けない養分は、そうはいきません。引き抜けないので、上のほう、いちばん新しい伸びに症状が出ます。例として挙がるのは硫黄と亜鉛、そして微量要素のいくつかです。同じ黄色でも出る場所が入れ替わる、というのがこの回の芯になっています。
見る場所で半分に減る: 見回るときの使い方はごく単純だと言います。下の葉に出ていれば動く側、つまりおそらく窒素・リン・カリウム。上の葉に出ていれば動かない側で、硫黄か微量要素のどれか。畑でも庭でも同じ見かたで通ると述べ、候補をまず半分に割るところから始めています。
見えるのは遅れてから: ただし誤解させたくない、と釘を刺します。少し足りないくらいでは見た目に出ない。症状が現れるのは、かなり足りなくなってからのことがある。そこで挙げるのが葉を何枚か採って分析に出すやり方で、含有量を測れば足りているかどうかが分かる、と言います。
毎日足りている必要: 結びは施肥の時期の話ではありません。いつ入れたかは問わない、株は一生のあいだ毎日じゅうぶんな養分を持っていなければならない、という言い方です。保持力の小さい砂の土なら2週間おきほどに少しずつ与え続ける形になる、と足します(補水と追肥)。