加圧に要る電力
エネルギーと水
ポンプの電力は、圧力と流量の掛け算から出ます。同じ流量でも圧力を2倍にすれば、水に与える動力も2倍になります。
何を決めるための考え方か
ポンプの大きさと間欠の組み方を、電力の側から決めるための量です。水に与える動力は圧力差と流量の積で決まるので、粒を細かくしようとして圧を上げれば、その分がそのまま動力に返ってきます。水が減るぶん電気が増えるという説の当否は水が減るぶん電気を多く使う?に置き、ここでは高圧噴霧と低圧噴霧のどちらに寄せるかと、加圧ポンプの選びかたを配管の圧力損失と圧のそろえ方と合わせて見ます。
何を計算・計測するか
計算するのは水に与える動力 P=Δp×Q、実際に要る入力はそれをポンプ効率とモーター効率で割った値です(流体機械の教科書では必要入力=ρgHQ÷効率の形)。測るのは圧力計の指す値と、一定時間にタンクから減った量の二つ。単位は圧力がkPa、流量がm³/s、動力がW。間欠なら噴霧している時間の割合を掛けて平均に直します。
つまずくところ
定格の消費電力をそのまま合計に使うと外します。ノズルを増やせば流量が増え、運転点が動けば効率も動くので、カタログの最高効率点を全域に当てはめられません。アキュムレータで圧を溜める組み方では、運転と休止の比そのものが変わります。圧力が上がらないときに疑うのは電力ではなく、まず漏れと詰まりの側です。
どこまで確かめられているか
式は流体機械の教科書のもので、数値は条件を入れて自分で出すものです。噴霧栽培の実機でポンプの消費電力を測って公開した資料は見当たりません。人工光型植物工場の内訳なら照明が85%、空調が10%、循環ファンや養液ポンプなどが5%という東京での年平均の推定が Kozai 2013 にありますが、これは水耕の値です。
解説動画: Pump Chart Basics Explained - Pump curve HVACR/The Engineering Mindset
曲線の読み方: 動画は、ポンプの性能曲線が縦軸に押し上げる高さ、横軸に流量を取った図だと説明します。横に寝かせたポンプは圧力ゼロで流量が最大、立てていくほど流量が減って圧力が上がり、真上を向くと流れが止まって圧力だけが残る。同じ水をかき回しているだけなので、その状態で回し続けてはいけないと釘を刺します。
高さで表す理由: 縦軸をフィートやメートルで書くのは、作り手には押し上げられる高さしか分からないからです。液が変われば同じ高さでも圧力は変わり、125フィートの揚程は水で約54.25 psi、牛乳では約56.15 psiになると示します。配管の圧力損失と圧のそろえ方で失うぶんも越えられる機種を選ぶ必要がある、と述べます。
動力の図で選ぶ: 軸を回す動力は別の図に載っていて、流量が増えるほど必要な動力も増えます。例として毎分125ガロン・揚程18フィートの点を引くと、0.75馬力の線より上で1馬力の線より下。上の側を選べば曲線全体がその線の下に収まり、揚程の計算を外していても余裕が残るという選びかたを示します。
効率は運転点で: 効率の曲線は山を描き、同じポンプでもどこで運転するかで値が変わります。毎分125ガロン・25フィートでは約67%どまり、毎分138ガロン・30フィートなら山の73%。羽根車を削って小さくすると外周と内壁のすき間が広がって水が戻るため、効率はさらに落ちると述べます。
吸い込みと可変速: 吸い込み側には必要NPSHの線があり、流量が増えるほど値が上がります。入口の圧力がこれを下回ると水がその場で沸いて泡ができ、泡がつぶれて羽根と内壁を削るキャビテーションになる。速度を変えられる駆動なら曲線の下をほぼ自由に選べるものの、主に2キロワットを超える機種向けだと結びます。加圧ポンプの電力は、この図の上で決まります。