納期の見積もり

進めている間

引き受ける前に決める、渡せる日

何の話?

納期は、仕上げた物を相手に渡す日の約束です。副業は本業の繁忙や家庭の用事で手が止まる日が必ず出るため、集中できれば終わる日を答えると高い確率で遅れます。伝えた日付は先方の予定表に載り、公開日や印刷の手配まで一緒に動きます。作業の見込みではなく、守れると言い切れる日を出す場所です。

どうするか

まず作業を調べる、つくる、直すの工程へ分け、それぞれ何時間かかるかを書き出します。次に合計へ1.5倍から2倍を掛け、副業に使える曜日数で割ると実日数が出ます。そこへ予備日を二日足した日付を伝えます。急ぎと言われても日付は縮めず、範囲を削るか分割で納める形にすると、双方の予定が立ちます。この所要日数はリードタイムとも呼ばれます。

よくある場面

記事の執筆を「週末にやれば終わる」と考え、三日後の納期で受けたとします。金曜に本業の障害対応が入り、土曜がまるごと消えます。日曜の深夜に出す形になり、読み返す時間も相手が確かめる時間も残りません。同じ作業量でも、最初に五日と答えていれば普通に終わっていた話です。

つまずくところ

遅れそうなときに黙るのが、いちばん信用を削る進み方です。見通しが崩れた時点で連絡し、新しい日付を自分から出します。逆に余裕を取りすぎて受注そのものを逃すこともあります。先方の締切の後ろにある本当の公開日を尋ねると、どこを詰められるかが見え、相談できる関係も残ります。

解説動画: 正しく見積もる方法「何でもいいから数える」「神の声を聞く」。【見積り3】#46/ゆるコンピュータ科学ラジオ

判断より、まず数える: 良い見積もりとは確率で答えるもの——80%の確率でこの日まで、50%ならこの日まで——という前提から始まる。ではその数字をどう作るか。本が置く優先順位は1位数える、2位計算する、最下位が判断する。経験を頼りにした専門家の判断こそ、最も精度が出ない手段だと著者は切り捨てる。

会場の人数を当てる話: 本に載る寓話。見積もりの専門家3人が会場の人数を当て合う。感覚で335人、テーブル数に1卓5人を掛けて385人、定員485人の75%が埋まっているとみて360人。正解は、受付でスキャンされた入場者数を見た407人。判断でも計算でもなく、数えた人が勝つという身も蓋もない話になっている。

何を数えてもいい: 何を数えるかは何でもいいと言い切る。機能の数でも、書くことになるコードの行数でもいい。機能ごとに手間は違うのだから無意味に思えるが、それでも数えないより正確になる。新人が機能20個×5日で100日と出し、横から専門家が経験で20日と言っても、100日のほうを信じろという立場。本なら10ページ書いて全体分を掛ける。

過去の記録が効く理由: 過去のデータを使う効き目は精度だけではない。もう1つが上司の圧力に勝てること。楽観的な数字ほど上には都合がいいので、見積もりツールに値を入れる段階でも「うちの人材はもっと優秀だろう」とパラメータを書き換えられる。かかった時間の記録があれば、そこで押し返せる。

話し合うと外側へ届く: 広域デルファイ法という手法も出てくる。見積もりを匿名で集めてから議論し、貼り出してまた話し合い、合意できなければ繰り返す。話し手が挙げる例では、30日と60日を出した2人がこれをやると、2つの平均ではなく実際にかかる100日の側へ届く。そういう実験があるらしいと言いつつ、条件はうろ覚えだとも断っている。忘れがちな項目の例に病欠。