否定の短縮形の聞き分け

短縮

否定の短縮形の聞き分けは、can'tとcan、isn'tとisのように、話し言葉では語末の子音が弱まったり消えたりするため、文字で見るよりずっと難しくなる現象です。can'tの母音/æ/はcanの弱形の曖昧母音よりも長くはっきり発音され、母音の質と文の強勢のほうが、語尾の子音よりも確かな手がかりになります。

どういう現象?

短縮形の中でも、can't、isn't、wasn't、didn't のような否定の短縮形は、話し言葉では語末の子音が弱まったり消えたりするため、肯定形と聞き分けにくくなります。can't はアメリカ英語で語末の /t/ が落ちやすく、can とほぼ同じ音に聞こえることがあります。isn't、wasn't も語尾の /t/ が弱まり、is、was との違いが子音だけでは分からなくなることがあります。didn't の場合も同様で、文脈が無いと判断できないことがあります。肯定文か否定文かが、語尾の子音だけでは決め切れないということです。

なぜ起きる

英語の否定の短縮形は、もともと母音の長さと強勢の位置で肯定形と区別されるように作られています。can't の母音 /æ/ は can の弱形の曖昧母音よりも長くはっきり発音され、isn't・wasn't は文全体の強勢が前寄りになります。つまり母音の質と文の強勢のほうが手がかりで、語尾の子音だけを頼りにする聞き方とは違う基準が要るということです。書き言葉で ' が見える否定形も、話し言葉では音の手がかりに置き換わります。

聞き取りのコツ

語尾の t だけを手がかりにすると聞き落とします。母音がはっきり長く強く聞こえたら否定、軽く短く流れていたら肯定、という判断のしかたに切り替えるほうが確実です。文全体のイントネーションの山の位置と合わせて聞くと、聞き分けの精度がさらに上がります。慣れないうちは、文脈と結び付けて確認する習慣も欠かせません。

例

can't ⇔ can / isn't ⇔ is / wasn't ⇔ was / didn't ⇔ did / won't ⇔ will