短縮形

短縮

短縮形は、I'm、don't、it'sのように2語が1語に縮んだ形で、書くときはアポストロフィを使います。going to→gonna、want to→wannaは話し言葉だけの縮みで、アポストロフィのある短縮形とは別物のreductionとして区別されます。Lorenzらの2017年の研究では、大きな縮みは速くくだけた話し方に限られると報告されています。

どういう現象?

I'm、don't、it's のように2語が1語に縮んだ形で、書くときはアポストロフィを使います。going to → gonna、want to → wanna は話し言葉の縮みで、Vanessa(Speak English With Vanessa)は、アポストロフィのある短縮形とは別物の reduction と区別して教えています。

なぜ起きる

よく使う組み合わせほど縮みやすい傾向があります。ただし縮み方には限りがあります。Lorenz と Tizón Couto は、アメリカ英語の話し言葉で have to や used to などを調べ、大きな縮みは速くくだけた話し方や定着の浅い形に限られ、最もよく出る縮み方は元の構造が読み取れる程度にとどまると報告しています(2017年)。

聞き取りのコツ

聞き取りでは、縮んだ形が来る前提で待つと迷いません。話すときの目安は2つあります。Vanessa は、don't の t を出さず舌を構えるだけの形は流れるように速く話すときだけ使うよう勧めます。Simon は、gonna などはくだけた言い方になるので会議や取引先とは going to / want to を使うよう勧めています。

例

I'm, don't, it's, we've / gonna(going to), wanna(want to), gotta(got to), kinda(kind of)

出典

  1. 動画・英語 Speak English With Vanessa How to Pronounce Contractions: 81 Contractions in American English
  2. 動画 サイモンのイキれる英語教室 英語の省略形って日本語でどんな感覚?
  3. 論文・英語 Lorenz DH, Tizón Couto D(2017) Coalescence and contraction of V-to-Vinf sequences in American English – Evidence from spoken language

解説動画: 学校では習わない短縮形の発音を1つずつ確かめる/Kevin's English Room / 掛山ケビ志郎

短縮形の発音は教わっていない: 中学で I'm や you're の書き方は習うのに、正しい発音を教わった覚えがないという話から始まる。書いてあっても「ユア」とカタカナで読んだり、二語に分けて読んだりしてしまう。日常会話ではくっついた形のほうが圧倒的によく出てくるのに、そこだけ抜けているという問題意識で、用意した一覧を上から声に出して確かめていく。

やりがちな読み方とのズレ: you're は your とほとんど同じで、伸ばしたところが R になる感覚だという。I'll は「アイル」のままだと伝わらない可能性があるとされ、i が圧倒的に短くそのまま L へ入る。he'll も「ヒール」ではなく hill に近い短い音。you'll を「ユル」、会計の That'll be… を「ザットルビー」と読むと通じないとも指摘している。

書き言葉には出てこない形: How do you do が縮んだ howdy、good day の g'day、of the clock が縮んだ o'clock など、元の形が意識されないほど縮んだ例も挙がる。y'all(you all)はアメリカ南部の英語で、くっつけた瞬間に南部っぽく響くため大統領のスピーチでは分けて言う、mightn't や mustn't はイギリス英語や古い英語の印象であまり聞かないとも言う。

聞き取りにどう効くか: Have you ever は have がほぼ消えて「ユエバー」に近くなる。省略というより、速く言った結果そう聞こえるという捉え方をしている。自分が話すときは分けて言ってもかまわないとしつつ、音を知っていれば聞き取れる範囲は広がる。学校のリスニングと現地で耳にする英語の差は、ここにもあると締めている。

解説動画: 【発音】日本人が聞き取れない「短縮形」の発音、ネイティブのワシが全部教えたる!/サイモンのイキれる英語教室

縮む部分は時制の語: サイモンは、ネイティブが会話で当たり前のように縮める部分には、will の未来や have の完了のような時制を表す語が多いと説明します。縮んだ部分を聞き逃したり、自分が正しく発音できずにごまかしたりすると、今のことか未来か過去のことかが相手に伝わらなくなり、話が根本から噛み合わなくなると話しています。

isとhasの見分け: He's は he is だけでなく he has の短縮でもあり、見た目も発音も全く同じだとサイモンは話します。見分けは後ろに来る語で、He's a doctor のように名詞なら is、He's done his homework のように過去分詞なら has です。所有の意味の has は縮めず、he has a car を he's a car とは言えないと注意します。

willの縮み方: I'll は「アイル」とはっきり言うより、真ん中の「イ」を弱めて「青」に近い音にするほうが会話では伝わりやすいと話します。L は舌を上の歯の裏に付ける音です。you'll は「ユル」ではなく、「ル」という音が消えて「夜」に近い音になり、最後にちょっとだけ舌を上の歯に付けます。he'll は「ヒール」ではなく「昼」に近い音だと説明します。

'veと'dの音: I've や you've は「ブ」を強く発音しがちですが、V の音なので下唇に上の歯を軽く当てるだけでよいとサイモンは話します。I'd や you'd では、d の音をはっきり「ド」と言うと通じないので、息をさっと止めるような小さな音にします。

上級編の音の潰れ: there'll は「ゼイル」とはっきり言わず、真ん中の e が脱落して L の音に直接つながり、there'll be は「ゼル be」のように聞こえます。that'd は T を消して D に触れる感じで言います。I would not have は、would not と have が合体して音が潰れ、知っている単語でも原型をとどめず聞き取れなくなるとサイモンは説明します。