攻略 | オトモアグリ

手に入りやすい部品での組み方と、粒の粗さ。

低い圧力で組むときは、霧の作り方・ポンプ・ノズルの本数・落ちた液の戻り先を、この順で決めます。部品を先に買うと、ポンプの圧力に合わないノズルが手元に残ります。最初の分かれ目は、水の圧力だけで霧にするか、圧縮した空気で砕くかの二つです(高圧噴霧と低圧噴霧)。

水の圧力だけで進む道は、部品が少なくて済みます。タンクとポンプ、ミストノズル、配管の四つで形になります(自作の実演・Risky Bizz)。箱に部品を通す穴はゴムのグロメットで密着させ、ノズルは一方向へ噴く型を選ぶと漏れが減ります(同)。ポンプは、タンクに沈める水中ポンプと、配管へ押し出す加圧ポンプに分かれます。圧力が高いほど粒は細かくなるため、細かさを求めるなら加圧の側です(噴霧ノズルを売る会社の技術資料)。水圧だけで霧にするやり方では、本数を決める前に、必要な流量を適正な圧力で出せるかを確かめます(同じ資料)。本数を増やすほど1本あたりの圧力は下がり、粒は粗くなります。圧力をかけすぎる側にも損があり、ポンプの過負荷とノズルの摩耗が早まります(同じ資料)。細い穴は肥料の粒や藻で詰まるため、ポンプの先にインラインフィルターを入れ、区画ごとに霧を止めるなら電磁弁を足します。

ミストノズル写真: R6, State & Private Forestry, Forest Health Protection / Public domain
水中ポンプ写真: Mar11 / CC BY-SA 4.0
加圧ポンプ写真: PEO ACWA / CC BY 2.0
電磁弁写真: Freonr2 (talk) (Uploads) / Public domain

低い圧力の霧で難しいのは、粒を細かくすることです。水の圧力だけで微粒化する一流体ノズルの粒は、おおよそ30 µm から数 mm の間に収まります(工業用の噴霧装置を作る会社の技術資料)。根に当てる霧を測った一次研究では、入口圧力0.4 MPa と静電圧12 kV を重ねた条件で、最小の粒径219.1 µm が出ました。同じ試験で付着量に効いた要因の順は、入口圧力・噴霧距離・静電圧でした。粒が大きいほど壁に当たって壊れやすく、根に残る量は減りました。静電気で吸い寄せる仕掛けと超音波を組み合わせた1種のノズルの試験なので、手元の部品にそのまま当てはまる値ではありません。直径0.01 mm 以下の霧は、物に当たっても弾けずに跳ね返ります(ノズルの会社の製品を扱う番組。宣伝を含みます)。低い圧力の粒は0.01 mm よりはるかに粗く、当たった所を濡らします。

細かい霧が要るなら、空気で砕く霧化へ移ります。二流体ノズルは圧縮した気体を液の流れにぶつけて砕き、粒は数 µm から70 µm ほどに収まります(噴霧装置を作る会社の技術資料)。圧力・流量・角度が同じなら、空円錐に噴くノズルが平均粒径の小さい側です(噴霧ノズルの技術レポート)。圧縮空気で液を吸い上げる型もあり、液の側にポンプが要りません(いけうちチャンネル)。吸い上げ型はノズルと水面の高さの差で噴霧量が変わるので、量の調整を高さでも行えます(同)。バターヘッドレタスを4種のノズルと3段階の休止で育てた一次研究では、空気を混ぜるノズルの区が、空気を使わない2種より重さも食べられる部分も多くなりました(30分の休止と1回5分の噴霧)。

二流体ノズル図: オトモシリーズ

やりがちな失敗は三つです。一つは、超音波で霧を立てる道を細かい霧の近道として選ぶことです。同じレタスの試験では、超音波ミストユニットを使った区の収量がどの休止でもほとんど伸びず、養液の pH と EC の動きも大きくなりました。二つめは、ノズルを増やして1本あたりの圧力を落とすことです。三つめは、床に落ちた液の戻り先を作らないことです。粗い粒は根に乗らずに落ちるので、箱の底を傾けてタンクへ戻す経路を先に作ります。

超音波ミストユニット写真: Qlptech / Public domain

出典

  1. 論文・英語 Jianmin Gao ほか(2023) Design of a high-voltage electrostatic ultrasonic atomization nozzle and its droplet adhesion effects on aeroponically cultivated plant roots
  2. 論文・英語 Mazhar Hussain Tunio ほか(2021) Influence of Atomization Nozzles and Spraying Intervals on Growth, Biomass Yield, and Nutrient Uptake of Butter-Head Lettuce under Aeroponics System
  3. 資料 株式会社プリス(工業用の噴霧装置メーカー) 液体の微粒化(噴霧方式)
  4. 資料 スプレーノズルのメーカー(spray.com) ノズル選定のための基礎知識|流量・圧力・粒子径
  5. 資料 噴霧ノズルのメーカーの技術レポート(dry-fog.com) スプレーノズルの基礎知識|霧の粒子径と測定
  6. 動画 いけうちチャンネル(噴霧ノズルのメーカー) 【ポンプいらず】吸い上げ方式で細かい霧を作る!原理と特長を徹底解説!
  7. 動画 大阪NEWS【テレビ大阪ニュース】 水なのに濡れない!工業・農業、観光にも…期待広がる「濡れない霧」活用法
  8. 動画・英語 Risky Bizz DIY Low-Pressure Aeroponic System: Simple, Cheap, and Effective