根と酸素図鑑 | オトモアグリ

根の先と根元は、吸う場所と通す場所に分かれた部位です。

起きていること

根の先には、細胞が増える場所と伸びる場所が並び、そのすぐ後ろに根毛が立ちます。取り込みの多くはこの帯で起きます。根元へ戻るほど、内皮にカスパリー線、その外側にスベリン板ができ、水とイオンが細胞の壁づたいに入る道はふさがれていきます。同じ1本の根でも、役割は場所で分かれていて、先を失えば、残った根元だけでは吸えません。根が伸びるにつれて、吸う帯そのものも先へ動いていきます。

効いている要因

どこまで固まるかは、根が伸びた長さに対する位置で決まります。ポプラの測定では先端から27.5%までは内皮にスベリンが無く、そこから根元側へ斑に増えていく境目が示されています。噴霧では根が空中にあるぶん、先の帯が乾きに直接さらされます。霧が届く高さとノズルの向きと取り付け高さが、吸う帯に当たっているかどうかを決めます。根が伸びれば、当たるべき高さも下がります。

目で見て分かること

白くて細い部分が先の帯で、産毛のような根毛が見えれば吸う場所が生きています。根元側が褐色でも、先が白ければ役割の分担どおりです。根の先が乾いて縮むと、その帯そのものが失われます。根毛ばかりが増えるときは、根毛の量と合わせて水の届き方を見ます。見るのは根の全体ではなく、先から数センチのところです。

確かめられている範囲

位置の実測は Grünhofer ら 2023(Stress Biology)のポプラで、カスパリー線は根の長さの10〜20%で完成し、スベリン板は20〜30%から斑に現れました。1条件あたり根6本以上・4生物反復です。同じ試験では水耕・噴霧・土のあいだに違いが出ませんでした。著者は単子葉の作物より境目の形成がゆるやかだったとまとめています。ただし双子葉の1樹種の結果で、他の作物も同じとは限りません。

解説動画

視聴済み

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Morphology of Roots: Zones of Elongation, Maturation, Cell Division & Types | NEET Biology

根を三つに分ける

動画は、根には茎のような節が無く、内側の組織から枝が出るという特徴から入ります。そのうえで1本の根を成熟帯・伸長帯・分裂帯の三つに分け、いちばん先には根冠があると示します。先端から根元へ向かって役割が順に並んでいる、という見取り図がまず置かれ、そこから一つずつ中身に入っていきます。

先端で細胞が増える

分裂帯は根のなかで最もよく働いている場所だと動画は述べます。細胞が次々に作られていて、核が大きく細胞質も多い状態で分裂が続く帯です。根が新しく出るところと同じで、先端に近いこの帯は細胞を作る側を受け持ちます。長さが伸びるのはここではない、と動画は帯を分けて置きます。

伸びるのは次の帯

分裂帯のすぐ後ろが伸長帯で、細胞が長さを増やす帯だと説明します。名前のとおり、根の長さが伸びるのはここで起きていることです。細胞が増える場所と、長さが伸びる場所は同じではなく前後に分かれている。動画はこの並びを、1本の根をわざわざ三つの帯に分けて呼ぶ理由として押さえます。

吸うのは成熟帯

根元側の成熟帯は細胞の分化が終わった帯で、活発な分裂はもう起きないと動画は言います。そのかわり水を吸うのはこの帯だと言い切ります。伸びる仕事と吸う仕事が、1本の根のなかで別の場所に割り振られていることになり、根を一続きの管として見ているとこの分担は見えません。

根の三つの型

最後に根の型を三つ挙げます。主根は1本が深く下って枝を出す双子葉の型、ひげ根は主根が短命で多くの枝が出る単子葉の型、不定根は幼根以外の場所から出る根です。動画はどれにも例外があると断りますが、吸うのは根元側の成熟帯という帯の並びは、型が変わっても読みかたとして残ります。

出典: DoorstepTutor (NEET, JEE, IMO, NSO, NTSE...)(YouTube)で動画を見る ▶

出典

  1. 論文・英語 Grünhofer・Heimerich・Herzig・Pohl・Schreiber(2023) Apoplastic barriers of Populus × canescens roots in reaction to different cultivation conditions and abiotic stress treatments