養液図鑑 | オトモアグリ

養液図鑑・組成と処方

園試処方と山崎処方

園試処方と山崎処方は、日本の養液栽培で広く使われてきた2つの処方です。

成分・数字の役割

園試処方は、均衡培養液処方の第1例とも呼ばれ、多くの作物に使う汎用の処方です。山崎処方は作物ごとの肥料の吸収濃度に合わせた処方です(北条 1989)。どちらも me/L で見ると、硝酸態窒素はカリウムとカルシウムの合計に、リンはマグネシウムにおおむね等しく、硝酸態窒素とリンの比は3〜4対1だと神奈川県の施肥基準は書いています。

目安の範囲

園試処方は硝酸態窒素16、リン4、カリウム8、カルシウム8、マグネシウム4 me/Lで、EC はおよそ2.4 mS/cm です(神奈川県の施肥基準)。同じ表の山崎処方は作物ごとに違い、トマトが7・2・4・3・2 me/L で EC 1.1 mS/cm、イチゴが5・1.5・3・2・1 me/L で EC 0.7 mS/cm。並びは同じ順なので、作物ごとに濃さも成分の比も変わるのが読み取れます。

動かしたときの変化

山崎処方は、作物が吸った濃さに合わせて組みます。ある期間に減った養分の量を、同じ期間に減った水の量で割った値が n/w 比で、山崎はこれで組成が安定する処方を出したと遠藤(静岡大学)は書いています。噴霧耕でトウキを育てた Phip ら(2007)は、園試処方を標準・半分・2倍・4分の1の濃さで比べ、生育は標準、半分、2倍、4分の1の順でした。1つの作物での比較です。

測りかたと直しかた

園試処方は水1 t あたり、硝酸カルシウム950 g、硝酸カリウム810 g、硫酸マグネシウム500 g、リン酸一アンモニウム155 g に微量要素を足して作ります(北条 1989)。濃厚液は50〜100倍で作り(→原液のA液とB液)、硝酸カルシウムだけは別に溶かします。濃さは季節と生育で動かし、トマトは夏を低め、冬を高めにします(神奈川県の施肥基準)。足し方は補水と追肥、単位は養液の単位と換算へ。

出典

  1. 論文 北条雅章(千葉大学園芸学部)(1989) 培養液の種類と作り方(連載―やさしい養液栽培)
  2. 公的機関 神奈川県 13 養液栽培の培養液管理(神奈川県作物別施肥基準)
  3. 資料 遠藤昌伸(静岡大学農学部) 養液栽培用語解説 イラスト版(養液栽培研究会 連載記事)
  4. 論文 Ninh Thi Phip・野島博・田代亨(2007) 噴霧耕栽培と点滴灌漑栽培による Angelica acutiloba Kitagawa の生育に及ぼす培養液濃度の影響