換羽

暮らし方をあらわす言葉

換羽は、古い羽が抜けて新しい羽に替わる過程で、多くの種は夏の終わりから秋に進みます。

指すもの

羽は伸びきると生きた組織ではなくなり、擦れても直せません。そのため一定の周期でまるごと抜け替えます。多くの種は繁殖を終えた夏の終わりから秋にかけて全身を替え、風切羽や尾羽は左右で対になる位置から順に抜けるので、飛ぶ力は保たれます。一度に全部は抜けず、数週間から数か月かけて進むのがふつうですが、体の大きさでこの期間は変わります。Rohwerら(2009年)は、大きな種ほど羽の伸びが追いつかず、換羽に何年もかかると報告しています。

見分けへの効き方

夏の終わりから初秋は、姿も声も読みにくい時期だと分かります。羽が抜けかけた個体は輪郭が乱れ、翼帯の線や尾の形が本来と違って見えます。尾羽は新旧が入り混じり、長さがそろわないまま伸びる時期もあります。さえずりも減るため、いなくなったと読み違えやすい時期です。この時期の一羽は、模様の細部で決めないようにします。羽が擦れて色が褪せる春先も同じで、季節による見え方の差を、種の差と取り違えないことが要になります。

似た語との違い

同じ音の冠羽と取り違えられます。冠羽は頭の上に伸びる羽そのものの名で、換羽は羽が替わる出来事の名です。部位の名か、時期の名かで分かれます。事故や病気で羽が欠けた個体とも見た目が似ますが、換羽では左右の同じ位置が対になって抜けます。片側だけが不ぞろいなら、換羽以外の原因を考えます。夏羽と冬羽も混同されますが、そちらは入れ替わった後の色の違いを指す名で、入れ替わる動き自体を指す換羽とは段階が違います。

身近な鳥で確かめる

カルガモなど水面のカモ類には、風切をまとめて落として一時的に飛べなくなる時期があり、水辺から離れなくなります。ムクドリやスズメでは、夏の終わりに翼や尾がまばらな個体が群れに混じります。時期と抜ける順序は山階鳥類研究所の鳥類標識調査で扱われており、そこで確かめられた範囲を超えては書けません。見た目が乱れた一羽は種を決めきらず、その日の状態として書きます。

出典

  1. 論文・英語 Rohwer S, Ricklefs RE, Rohwer VG, Copple MM(2009) Allometry of the Duration of Flight Feather Molt in Birds
  2. 動画・英語 Lesley the Bird Nerd The Bald-headed Bird Mystery | New haircut maybe? Nope just molting