空の光図鑑

内暈(太陽のまわりに出るもの)

内暈は、太陽から22度離れたところに立つ白い光の輪で、最もよく見られるかさ現象です。太陽を中心にした、視半径22度の光の輪です。気象庁『気象観測の手引き』は、最も頻繁に現れるかさ現象を内かさとし、「半径22度の白色又はほとんど白色の光輪」と記しています。同じ手引きは、内側に薄い赤色の縁をもち…

外暈(太陽のまわりに出るもの)

外暈は、内暈のさらに外側に視半径46度で広がる、内暈よりはるかに淡い光の輪です。視半径46度の、ぼんやりと幅の広い輪です。気象庁『気象観測の手引き』は「46度の半径をもつ円形のかさを、外かさといい、ときどき観測される」と記しています。内暈よりはるかに淡く、全周がそろうことはまれで、輪の一部だけが弧として残ります。…

幻日(太陽のまわりに出るもの)

幻日は、太陽と同じ高さの左右に出る、明るく色づいた光の点で、太陽に近い側が赤です。太陽と同じ高さの左右に浮かぶ、明るく色づいた光の点です。気象庁は幻日を「内暈の左右にできる明るく色づいた光点」と説明しています。太陽に近い側が赤く、外へ向かって橙から白へ移り、明るいものは外側へ白い尾を引きます。…

幻日環(太陽のまわりに出るもの)

幻日環は、太陽と同じ高さで空を横に一周する、氷晶の反射でできた色の無い白い帯です。太陽と同じ高度を水平に走る、白い光の帯です。色がつかないことが最大の特徴で、ウィキペディア日本語版『幻日環』は「反射によって起こる現象であるので暈などのように色がついて見えることはない」と記しています。幅は細く明るさにもむらがあり…

環天頂アーク(太陽のまわりに出るもの)

環天頂アークは、天頂の近くに立つ、地平線へ向かって凸の色の弧で、太陽側が赤です。天頂の近くで、地平線側へふくらんだ色の弧です。太陽と同じ側に赤が来て、天頂側へ橙・黄・緑・青と並び、虹と逆の順になります。俗に「逆さ虹」と呼ばれるのはこの向きのためで、主虹が赤を外側に置くのとちょうど裏返しです。…

環水平アーク(太陽のまわりに出るもの)

環水平アークは、太陽の下46度に横たわる、地平線と平行な虹色の帯で、上が赤です。地平線と平行に、まっすぐ横へ伸びる虹色の帯です。上が赤、下へ向かって黄・緑・青と並び、弧というより直線に近い見え方をします。太陽の下に広がる巻雲や巻積雲を染めるので、雲のある部分だけが色づき、雲の切れ目で帯も途切れます。…

上部タンジェントアーク(太陽のまわりに出るもの)

上部タンジェントアークは、内暈の上端に接する、翼を広げたような形の明るい弓です。内暈の上端に接する、翼を広げた形の弓です。ウィキペディア日本語版『タンジェントアーク』は、太陽高度30度に近いと上下につぶれたM字型、低くなるほどV字型に変わるとしています。色は太陽に近い側が赤で、外へ向かうほど白くにじみます。…

太陽柱(太陽のまわりに出るもの)

太陽柱は、日の出と日の入りのころ、太陽から上下へ伸びる、色の分かれない光の柱です。太陽から上下へまっすぐ伸びる、炎のような光の柱です。色が分かれず、光源そのものの色で光るのが決め手で、朝夕の低い太陽なら橙から赤の柱になり、夕焼け・朝焼けの色をそのまま帯びます。長さは太陽の上へ5度から10度ほど伸びることが多く…

光環(太陽のまわりに出るもの)

光環は、太陽のすぐ外に重なる、にじんだ色の輪で、半径は一般に5度より小さいものです。太陽をとり囲む白い輝きの、そのすぐ外に色の輪が並びます。輪の内側が紫または青、外側が赤で、緑や黄が間にはさまることもあります。気象庁『気象観測の手引き』は「輪は二重以上の場合もあり」と記し、半径は一般に5度より小さいとしています。…

映日(太陽のまわりに出るもの)

映日は、雲海を見下ろすときに太陽の真下に映る、水平な氷の板が返した白い光の点です。色に分かれない、白く輝く一点です。WMO 国際雲図帳は、静かな水面に映った太陽の像に似たまぶしい白い点が、太陽の真下に現れる現象として説明しています。屈折を経ない反射だけでできるため色が分かれず…

主虹(虹と水滴の光)

主虹は、太陽を背にして立つ視半径40〜42度の色の弧で、紫が内側、赤が外側です。半径40度に紫、42度に赤が来る色の帯です。気象庁『気象観測の手引き』は「半径が40〜42度の弧を,主にじといい,紫は内側,赤は外側にある」と定義しています。同じ資料は「天空はにじの外側のほうが内側より暗い」とも記しており…

副虹(虹と水滴の光)

副虹は、主虹の外側に立つ半径50〜54度の淡い弧で、色の順が主虹とは裏返しです。赤が内側、紫が外側という、主虹と裏返しの並びです。気象庁『気象観測の手引き』は副にじを「主にじよりも輝きはかなり弱く,幅は主にじの約2倍ある」と書いています。WMO 国際雲図帳は赤の半径を51度、紫の半径を54度としており、見た目は淡く…

アレキサンダーの暗帯(虹と水滴の光)

アレキサンダーの暗帯は、主虹と副虹にはさまれ、水滴から光が戻らず暗く沈む空の帯です。帯そのものに色や輪郭はなく、周りより暗い空として見えます。気象庁『気象観測の手引き』は主にじについて「天空はにじの外側のほうが内側より暗い」と記しており、この暗さが帯の正体です。背景の雲が黒いほど境目がはっきりします。名は…

過剰虹(虹と水滴の光)

過剰虹は、主虹のすぐ内側に重なる、光の干渉でできる緑と紫の細い色の縞の並びです。緑と紫が細く交互にくり返す縞です。WMO 国際雲図帳は、緑・紫・橙の細い弧が虹を縁取るように現れるとしています。主虹の色帯にくらべて一本ずつが細く、色が薄いのが見た目の差で、条件がそろうと数本を数えられます。日本語では余り虹…

霧虹(虹と水滴の光)

霧虹は、霧の小さな水滴でできる、色が分かれきらずに白っぽく見える幅の広い弧です。ほとんど白い、幅の広い帯です。WMO 国際雲図帳は、外側に淡く細い赤、内側に淡く細い青の縁を伴う白い帯として説明しています。主虹と同じ色の順は残っているものの彩度が落ちて白に近づき、幅はずっと広くなります。…

反射虹(虹と水滴の光)

反射虹は、背後の水面ではね返った光でできる、普通の虹と根元を共有して開く弧です。主虹と同じ色の並びを持ちながら、立ち上がりの急な、開いた弧です。普通の虹とは地平線のあたりで交わり、上へ行くほど二本の間が開いていきます。水面が広く静かなら副虹にあたる弧も重なり、空に交差する複数の弧が並びます。明るさは元の虹より落ち…

彩雲(雲と空の色)

彩雲は、日射が透けるほど薄い雲の縁が、緑や桃色のパステル調に染まって見える現象です。薄い雲のふちだけが、緑色や桃色の卓越したパステル画のような色合いに染まります。気象庁『気象観測の手引き』は、色がときには不規則に並び、ときには雲の縁辺にほとんど平行な帯状で現れると書き分けています。虹のように色の順序が決まってはおらず…

空の青(雲と空の色)

空の青は、短い波長の光ほど空気の分子に強く散らされるレイリー散乱で生じる色です。見上げた天頂がいちばん濃い青で、地平線に近づくほど白く薄まります。英国気象局は、地平線寄りの光が余分な大気を通るぶん散乱が重なり、白い光が混ざって青みが落ちると説明しています。太陽のまわりは白っぽく、離れた方向ほど青が深く見えるため…

雲の白と灰色(雲と空の色)

雲の白と灰色は、どの色も同じだけ散らす雲粒の白と、底まで光が届かない灰色のことです。同じ雲でも、上面と側面は白く、底へ行くほど灰色に沈みます。英国気象局は、雲の中で散らされた光の多くが上や横へ返るため、日射を受け続ける雲頂が白く、光の届きにくい雲底が暗くなると説明しています。厚みが増すほど底の灰色は濃くなり…

夕焼け・朝焼け(雲と空の色)

夕焼け・朝焼けは、低い太陽の光から青が散り尽くし、残った赤や橙が空を染めたものです。空の低いところから、黄から橙、赤へと段になった色が広がります。太陽に近いほど白っぽく明るく、離れるほど赤みが濃くなります。雲があれば下面が同じ色に染まり、雲の底だけが赤く光るように見えます。色が回るのは日の出前と日の入り後にも続き…

ビーナスベルト(雲と空の色)

ビーナスベルトは、日の入り後に太陽と反対の低い空に出る、地球影に接した桃色の帯です。太陽と反対側の低い空を、桃色からサーモン色の帯が水平に横切ります。帯の下には藍色の暗い層が接し、境目は柔らかくぼけています。帯は地平線と平行に長く伸び、時間とともに上へ上がりながら薄れていきます。頭上の青、桃色…

煙霧(雲と空の色)

煙霧は、乾いた微粒子で空が白く濁り、視程が10km未満に落ちて遠くがかすむ状態です。空全体がかすみ、目印の山や鉄塔の輪郭が薄れます。視程が10km未満まで落ちると、遠くの景色は薄い膜越しに見えるようになります。英語の解説動画(Facts of Nature)は、煙霧は茶色がかったり青みがかったりして見え…

薄明光線(影として見えるもの)

薄明光線は、太陽を隠した雲の切れ間から、放射状に広がって見える明るい光の筋です。太陽を隠した雲から、明るい筋と暗い帯が交互に並んだ扇が下りてきます。WMO 国際雲図帳は、暗い筋を地平線付近の雲の影とし、太陽を隠す積雲や積乱雲から淡い青や白っぽい光の束が広がる姿を挙げています。筋の色は白から黄、橙まで幅があり…

反薄明光線(影として見えるもの)

反薄明光線は、太陽と正反対の空で、対日点へ向かって一点に集まって見える光の筋です。空の反対側に、一点へ収束していく淡い筋が並びます。太陽の側の筋より色は薄く、桃色や灰色がかった帯として空に横たわります。WMO 国際雲図帳は、光の束と影が空を渡って対日点で再び見えるようになると記しており…

地球影(影として見えるもの)

地球影は、太陽と反対側の地平線から立ち上がる藍色の帯で、地球そのものが落とす影です。地平線に沿って横たわる、灰色がかった藍色の帯です。下ほど色が濃く、上へいくにつれて薄れ、境目はぼやけたまま空につながります。帯の上にはビーナスベルトの桃色が接していて、藍と桃が上下に二段という並びが、いちばん分かりやすい姿です。…

ブロッケン現象(影として見えるもの)

ブロッケン現象は、霧や雲に映った自分の影のまわりに、色のついた輪が重なる現象です。霧や雲の面に映った自分の影が、ぼやけた輪郭で立ち上がります。頭のあたりを中心に色のついた輪が一重から数重かかり、光環と同じく内側が青むらさき、外側が赤の順に並びます。影が不釣り合いに大きく見えるのは、近い霧に映った影を…