特定外来生物の運搬

採る・運ぶ

特定外来生物の運搬は、外来生物法が禁じる飼養等の一つで、生きた株を持ち帰る行為です。

決まりの中身

外来生物法1条は、飼養、栽培、保管又は運搬をまとめて飼養等と呼び、4条がその飼養等を禁じています。つまり生きた株を抜いて持ち帰る、袋に入れる、車に積むという一続きの行為が、そのまま規制の対象です。対象は生きた個体で、2条1項の定義には種子も含まれます。指定は環境省の特定外来生物一覧にあり、オオキンケイギク(平成18年指定)やアレチウリのように街や河川敷で目に入る種が並びます。

根拠になる法令

罰則は33条1号の1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金で、販売や頒布の目的があると32条1号の3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金へ上がります。野外へ放つ・植える・種をまく9条違反も、32条3号で同じ重さです。環境省の罰則の頁では、法人の罰金は5,000万円以下から1億円以下とされています。抜いた株を別の場所へ運んで植えれば、飼養等と放出等の両方に触れます。守る側の希少な野草の採取とは、向きの逆の規制です。

実際の対処

見つけたときは、その場に置いたまま、写真と場所を記録します。持ち帰らなければ運搬に当たらず、自治体の環境課や河川管理者へ連絡するのが通り道です。例外もあり、環境省は植物の小規模な防除について、事前の公表・逸出の防止・廃棄物の処理施設への運搬などの要件を満たせば規制を受けないと説明します。自己判断で抜いて運ばず、市区町村の案内に従います。

勘違いしやすいところ

黄色い花の群れがすべて指定種、とは限りません。セイタカアワダチソウやオオブタクサは、環境省の特定外来生物一覧に入っていません。規制がかかるのは生きている個体で、枯れた植物体は対象から外れます。関東地方環境事務所は、抜いた株を移すなら枯らしてからと案内しています。もう一つ、きれいだから庭に植えるという行いは9条の側にも触れ、育てること自体が4条の飼養等に当たります。

出典

  1. 公的機関 e-Gov 法令検索(デジタル庁)(2004) 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)
  2. 公的機関 環境省 何が禁止されているの?(日本の外来種対策)
  3. 公的機関 環境省 罰則(日本の外来種対策)
  4. 公的機関 環境省 防除に関する基本的な事項(日本の外来種対策)
  5. 公的機関 環境省 特定外来生物等一覧(日本の外来種対策)
  6. 公的機関 環境省 関東地方環境事務所 特定外来生物 オオキンケイギクについて