明るい星と惑星を見分ける
またたきと位置で、星と惑星を見分ける入口。
恒星と惑星を最初に分ける手がかりは、光の揺れ方です。NASAの観望案内は、惑星は安定した光で輝くのに対し、恒星はしばしばちらつくと記しています。香港天文台の解説では、光を揺らす原因は風ではなく空気の温度のむらで、温度差のある層を通るたびに光の進む向きが変わります。恒星は一点の光としてしか届かないため、わずかな逸れでも消えたり戻ったりしてまたたきに見えます。惑星は星よりも大きい円盤として届き、多くの光線が同時に目へ入るため、一部が逸れても全体では打ち消し合って安定します。ただしEarthSky(天文解説サイト)の解説は、地平線に近い低い空では惑星でもまたたいて見えることがあると注記しています。大気を通る距離が伸びるぶん、屈折の影響が増すためです。
またたきの有無という違いは、呼び名にも残っています。日本天文学会「天文学辞典」は、惑星がギリシャ語で「迷う人」を意味するプラネーテスと呼ばれていたと記し、日本語では「惑星」と訳され、「遊星」と呼ばれたこともあったと添えています。恒星は見かけの位置がほとんど変わらないことから月や惑星と区別してその名がつきましたが、同じ辞典は実際には恒星も空間を動いていると注記しています。NASAの観望案内も、惑星ははるか遠くの恒星を背景にして位置を移動すると説明しています。一夜だけでは分からない動きなので、数日から数週間おいて同じ方角を見比べ、背景の星並びに対してずれていれば惑星だと決められます。
動きとまたたきを確かめたら、次は明るさで候補を絞ります。NASAの観望案内は、惑星はほとんどの恒星と同じか、それより明るく見えるとし、望遠鏡なしで容易に見つかるのは水星・金星・火星・木星・土星の5つだと案内しています。天王星は視力の良い人が暗い空でかろうじて見える程度で、探す場所を知っていることが前提になります。海王星はさらに暗く、肉眼には届きません。この先の各項目では、惑星の衝で明るさが特に増す時期や、惑星どうしの接近で見分けに迷う場面も扱います。
