光の現象に気づく
太陽のまわりと反対側、どこを見れば出るか。
空に出る光の現象を探すときの最初の一歩は、太陽に対してどちら側を見るかを決めることだ。光の現象は大きく2系統に分かれ、氷晶がつくる現象は太陽に近い側に、水滴がつくる虹の仲間は太陽を背にした反対側に出る。
太陽の近くに出るのはハローの仲間である。WMO 国際雲図帳は、ハロー現象を「大気中に浮遊する氷晶による光の屈折または反射によって生じる、環・弧・柱・輝点の形をとる光学現象」と定義している。太陽から22度の位置に立つのが内暈、その外側46度に淡く広がるのが外暈で、気象庁も暈を「太陽や月を中心としてできる視半径22°と46°」の輪として説明している。太陽と同じ高さの左右には幻日が光り、その点を水平に延ばせば幻日環になる。天頂の近くには環天頂アークが凸に立ち、太陽の下46度には環水平アークが横たわる。暈の上端に弓を添えるのが上部タンジェントアーク、太陽の上下に伸びるのが太陽柱、太陽のすぐ外ににじむのが光環、雲海を見下ろす向きに映るのが映日である。いずれも視線は太陽のほうを向くため、太陽本体を直接見ない・双眼鏡やカメラ越しにも太陽を見ないことが前提になる。NASAは、専用の太陽フィルターを前面に付けないまま双眼鏡や望遠鏡で太陽を見ると、瞬時に重い目の損傷を起こすと注意している。建物の角や電柱で太陽本体を隠し、その縁の外に残る光を拾う形で探す。
反対に、太陽を背にして影の先を見るのが虹の仲間だ。気象庁は「虹は必ず太陽を背にした方向に現れます」と説明している。WMO 国際雲図帳は、弧の中心が光源と反対の方向、観察者を通る延長線上の一点にあると記しており、これは自分の影の頭の先にあたる。半径40〜42度の主虹はこの対日点を囲み、太陽高度が42度を超えると全体が地平線の下に沈む。外側50〜54度に淡く重なるのが副虹で、二つの弧にはさまれたアレキサンダーの暗帯は光が戻らないために暗い。主虹の内側に細い縞が付けば過剰虹、霧の中で色が白く溶ければ霧虹、背後に水面があって弧が二重になれば反射虹である。
同じ空でも、太陽を向くか背にするかで出る現象は入れ替わる。薄い巻層雲が太陽にかかっていればまず太陽の側を、晴れ間と雨粒が同居していれば太陽を背にした影の先を見る。どちらを探す日も、太陽本体を直接見ないことだけは変わらない。
