皮脂と日差しへの備えを中心にした手入れ。
10代から20代の手入れは、皮脂と日差しの2つを軸に組み立てます。皮脂の分泌は子どものころは少なく、思春期に男性ホルモンの働きで増え始め、10代の終わりまで増え続けます。その後は高齢になるまで大きく変わりません(Pochi ら、1979年)。この年代にべたつきや吹き出ものが目立ちやすいのはこのためで、成分を増やすより、洗う・うるおす・防ぐの3つを毎日続けることが先になります。米国皮膚科学会の皮膚科医も、10段階の手入れより続けることが大事だとして、やさしい洗顔料・香料を加えていない保湿剤・SPF30以上で広い波長を防ぐ耐水性の日焼け止めの3本を挙げています(米国皮膚科学会、2025年)。
洗うのは朝と夜の2回までにし、汗をかいたあとは早めに洗います(米国皮膚科学会)。乾きやすい肌や刺激を感じやすい肌なら、夜の1回で足りる場合もあります(米国皮膚科学会、2025年)。皮脂が多いからと洗う回数や力を増やすと、「皮脂は取れば取るほど良い」という説と同じ失敗になります。ぬるま湯を使い、指先でこすらずに洗います。べたつきが気になる肌でも保湿は省かず、軽い使用感の保湿剤を選びます。吹き出もの向けにサリチル酸などの成分を足すと肌が乾きやすくなるため、保湿剤を合わせて使います(同)。吹き出ものは、自分では潰さずにおきます。市販の製品を数か月使っても吹き出ものが落ち着かないときや、跡が残るときは皮膚科に相談します(同)。
レチノール・ビタミンC・角質ケアの酸は、主にシワや日焼けによる変化を目当てにした成分です。10代のうちは基本的に使わなくてよい、と米国皮膚科学会の皮膚科医は勧めます(同)。SNS で話題の製品が、その人の肌に要るとは限りません。新しい製品は1つずつ足し、刺激を感じやすい人は少量で試してから顔全体に使います(同)。数日から1週間あけて次の1本を足すと、合わない製品を見分けやすくなります。
20代から重みが増すのが、日差しへの備えです。日差しによる肌の変化は光老化として何年もかけて積み重なるため、早いうちに毎日の習慣にしておく意味があります。オーストラリアで55歳未満の成人903人を4年半追った試験では、広い波長を防ぐ日焼け止めを毎日塗る群は、使いたいときだけ塗る群より、皮膚表面の細かな凹凸で測った老化の進み方が24%小さくなりました(Hughes ら、2013年)。毎日塗る群では、試験の期間中に老化の進みが検出されていません(同)。日焼け止めは規定の量を塗らないと表示どおりの値が出ないため、顔全体で真珠の玉2個分という量と、屋外で2〜3時間おきに塗り直す目安を先に覚えます。帽子や日陰で日差しを避ける方法も組み合わせます。
この年代でやりがちな失敗は3つです。話題の製品を一度に何本も足すこと、皮脂を落とそうと洗いすぎること、「曇りの日は日焼け止め不要」という説のとおりに日焼け止めを省くことです。3本の手入れは朝晩とも数分で終わり、続けやすい点がいちばんの強みになります。
出典
- 論文・英語 Pochi PE, Strauss JS, Downing DT(1979) Age-related changes in sebaceous gland activity
- 公的機関・英語 American Academy of Dermatology(Marisa Garshick, MD)(2025) A dermatologist's guide to skincare from growing up to glowing up
- 公的機関・英語 American Academy of Dermatology Face washing 101
- 論文・英語 Hughes MC, Williams GM, Baker P, Green AC(2013) Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial
