トレッドミル

有酸素マシン

トレッドミルは、速度と傾斜を自分で決める

用途

ベルトが流れる上を歩いたり走ったりするマシンです。天候に左右されず、速度と傾斜を数値で固定できるので、同じ強度を毎回再現できます。時速5〜6kmの早歩きから、傾斜を上げた坂道歩きまで目的に合わせて刻めます。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023は、成人に息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上と勧めています。

使い方

乗る前に非常停止クリップを必ず服に留めてください。Naomi Kong の初心者向け動画は、先に両脇へ足を置いて動かし、動き出したベルトへ乗るやり方を紹介しています。トレッドミルに慣れた男性ランナー9人が時速約10〜18kmで走った実験(1996年)では、屋外の平地とエネルギー消費が近かったのは傾斜1%でした。降りるときは速度を落としてから足を脇へ移します。

コツ・注意点

手すりを握り続けると体重が腕へ逃げ、姿勢も消費も崩れます。38〜60歳の健康な10人がトレッドミルを歩いた実験(2006年)では、同じ速度と傾斜で、握ると腕を自由に振るときより心拍数も酸素摂取量も低く出ました。強度は、話しながらできる息が少し弾む程度が目安です。会話の余裕で測るトークテストは、健康な17人のトレッドミル試験(2023年)で心拍数や酸素摂取量と強く相関し、著者は強度の目安に使えるとしています。

出典

  1. 公的機関 厚生労働省 e-ヘルスネット(2023) 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:成人版
  2. 論文・英語 Jones AM, Doust JH(1996) A 1% treadmill grade most accurately reflects the energetic cost of outdoor running
  3. 論文・英語 Berling J, Foster C, Gibson M, Doberstein S, Porcari J(2006) The effect of handrail support on oxygen uptake during steady-state treadmill exercise
  4. 論文・英語 Kwon Y, Kang KW, Chang JS(2023) The talk test as a useful tool to monitor aerobic exercise intensity in healthy population
  5. 動画・英語 Naomi Kong HOW TO USE A TREADMILL | Beginner's Guide

解説動画: 脚を太くしないトレッドミルの歩き方と設定/森拓郎

概要: トレッドミルで歩くと前ももが太くなる、ふくらはぎが張るという悩みに答える動画。歩き方のコツ、速度の設定、傾斜のつけ方、さらにシューズの選び方まで扱う。一般的なランニングシューズはかかとが約1cm高く緩い下り坂を歩くのに近い状態になるためふくらはぎの負担が減り、逆にかかととつま先の差が0から4mmのフラットな靴はふくらはぎの活動が増えるかわりに前ももの負担が減ってお尻や裏ももを使いやすくなると説明している。

脚が太くなる歩き方の特徴: 前ももが太くなったりふくらはぎが張ったりする人は、歩くときに脚を体より前へ大きく振り出している。脚が前に出るほどブレーキをかけることになり、前ももに負担がかかりやすい。歩くときは前へ振り出すのではなく脚を後ろへ後ろへ送り、お尻と裏ももを使うのがよい。また脚を後ろに送れていても足首で強く蹴るタイプはふくらはぎが張りやすい。

超低速で歩き方を練習する: まずは時速1kmほどの極端に遅い速度に設定して歩き方を練習するとよい。横のサイドバーを持って肩を下げた状態で支えると、自分の脚が前に出ていることに気づける。足は体のなるべく近く、真下あたりにフラットに着く。体を固定したまま脚を後ろに送り、前ももの付け根がストレッチされる感覚が出れば股関節が使えている。

速度と時間の設定: 速度は時速3kmくらいから始めるとよい。慣れるまではバーを持って脚を前に出さない練習をし、慣れたら手を離す。速くなるほどフォームが崩れやすくなるので、フォームを保てる速度にとどめる。時間は20分から30分くらいで始め、無理がなければ1時間ほど。テレビや映画を見ながら時間をつぶせるのがトレッドミルの便利なところ。

傾斜のつけ方: 速度以上に大事なのが傾斜。トレッドミルはベルトが動くぶん緩い下り坂を歩くような状態で、後ろへ蹴る力が要らず筋活動が少なくなる。そこで1%から3%の傾斜をつけると後ろに蹴る力が出てくる。ただし傾斜を上げすぎると蹴る力が強く出てふくらはぎが疲れ始める。前ももが疲れやすい人は傾斜を少し上げ、ふくらはぎが疲れやすい人は低めにする。まず1%から始めて徐々に3%程度まで上げるとよい。