寝る前の学びと、眠りへの影響。
夜に学ぶ人が先に決めるのは、学ぶ時間の長さではなく、眠る時刻です。夜の学びは眠りと隣り合っているので、延ばした分はそのまま睡眠から引かれます。9年生535人が9年・10年・12年の各学年で14日間の日記をつけた研究では、ふだんの勉強量にかかわらず、いつもより睡眠を削って勉強した翌日に、授業の内容が分からない、課題やテストでつまずくといった問題が増えていました(Gillen-O'Neel ほかの2013年の研究)。睡眠時間を削らないことを先に決め、学ぶ時間は残りから取ります。
試験の前夜だけ長く眠っても、眠りの効き目は前夜だけでは決まりません。大学の化学の授業で88人に活動量計を付けた研究では、テスト前夜の睡眠は成績と関係せず、テスト前の1週間と1か月の睡眠の長さと質が成績と結びついていました(Okano ほかの2019年の研究)。相関の研究なので、眠れば成績が上がるとまでは言えません。それでも、夜の学びは前夜だけでなく数週間の眠りの中で組む話になります。前夜に詰め込む一夜漬けは、間をあけた学習に長期の保持で負けるうえに、試験前の眠りまで削ります。
寝る前の時間には、新しい難所より、覚える材料と短い復習を置きます。高校生が英単語を覚えた実験では、学習から数時間以内に眠った条件で記憶がよく残り、眠りを奪った影響は回復の一晩のあとも残っていました(Gais ほかの2006年の実験)。確かめられたのは単語の水準で、長い文章や実技に同じ効き目があるかは分かっていません。寝る前に覚える形で単語を入れたら、翌朝に閉じて思い出し、数日おいて同じ材料に戻る間をあける練習へつなぎます。眠りが記憶を固める働きは、条件がそろったときに出る小さい効果と見直されており、経緯は眠って記憶を固めるの項目にあります。
眠気を消す工夫は、眠る時刻を後ろへ押す工夫と重なります。カフェイン400mgを就寝の0・3・6時間前に飲んだ実験では、6時間前でも偽薬より眠りが乱れました(Drake ほかの2013年の実験)。400mgは多めの量ですが、夕方以降の一杯はカフェインを飲む時間の項目で量と時刻を決めておきます。寝床に入る前の明るい画面も、夜の光と画面の項目のとおり眠くなる時刻を遅らせる側です。夜に頭が働く人が夜に学ぶこと自体は朝型と夜型の範囲の話ですが、起きる時刻が決まった平日に寝る時刻だけを遅らせると、遅らせた分が睡眠から引かれます。決める順は起きる時刻、眠る時刻、学びを終える時刻の3つで、学ぶ時間はその内側に置きます。
出典
- 論文・英語 Gillen-O'Neel, Huynh, Fuligni(Child Development)(2013) To Study or to Sleep? The Academic Costs of Extra Studying at the Expense of Sleep
- 論文・英語 Okano, Kaczmarzyk, Dave, Gabrieli, Grossman(npj Science of Learning)(2019) Sleep quality, duration, and consistency are associated with better academic performance in college students
- 論文・英語 Gais, Lucas, Born(Learning & Memory)(2006) Sleep after learning aids memory recall
- 論文・英語 Drake, Roehrs, Shambroom, Roth(Journal of Clinical Sleep Medicine)(2013) Caffeine Effects on Sleep Taken 0, 3, or 6 Hours before Going to Bed